■ユン新大統領 “日本重視”の理由とは 父親も関係?
ホランキャスター:
外交という意味では、日本も相手の1つですが、日韓関係はどうなっていくのか。これまでのユン大統領の動きをみていきます。
大統領選当選翌日の3月11日、まずユン大統領は、アメリカのバイデン大統領に電話をしたのです。その後に、岸田総理と電話会談を行いました。そしてその中で、「できるだけ早く対面でもお会いしたい」と話したといいます。
また、4月には就任に先駆け、日本に向けて韓国の代表団を派遣しました。この中で、岸田総理と約25分間会談。その代表団の団長が、ユン大統領の親書を手渡しまして、「日韓関係を重視しており、関係改善に向けて共に協力していきたい」と呼び掛けました。
ですので、これまでの近年の大統領たちと比べると、日本に対して前向きな姿勢を持っているのかなということが伺えるわけなんです。では、なぜそこまで日本を重視しているのでしょうか?
龍谷大学社会学部の李相哲教授に伺いました。2つポイントがあるそうです。

②日本、アメリカ、韓国、この同盟の強化が安全保障上重要と考えている
そのような見解に加えて、もう1つ理由があるのではといいます。
李教授によりますと、「ユン新大統領の父親は日本の奨学金を受け取り、一橋大学で学んだこともある。ユン氏自身が日本に対する理解があるのではないか」としています。
井上キャスター:
今、日韓関係は冷え切っていますので、お隣の国で仲良くとはいかずとも、ある程度の距離間だと思います。議会もねじれている、ユン大統領がやりたいことを潰されてしまうかもしれない。その辺りはいかががですか。
星氏:
3つプラスな点がありまして、1つはおそらく徴用工問題でも韓国側から妥協策や解決策を打ち出してくると思います。元々、法律家ですからね。それから、岸田総理も関係改善に前向きだということ。
そして1番大きいのは、アメリカのバイデン大統領がとにかく今、日韓で仲良くやってくれと。それで日米韓で結束をして、北朝鮮や中国に向き合いましょうという空気になってます。そういう意味では環境として日韓の関係改善に非常に良い状況なので、これをうまく岸田総理もユン大統領も利用できるかどうかですね。
井上キャスター:
そこをうまく進めていくためにも、ユン大統領がある程度、国内で地盤を固めないとできなくなるということですね。
星氏:
そうですね。やはり今、議会がねじれていますから、議会を説得して徴用工問題での妥協策や解決策を打ち出すと。それに対して日本が評価をして関係改善がうまく進んでいく。これが上手く進み始めると、例えば昔、金大中大統領と小渕総理が非常に良い会談をして、日韓新時代というのを打ち出したことがあります。そういうこともあるわけですから。政治家が決断すれば、物事は進みうるんだということを示してもらいたいと思います。
井上キャスター:
日本、アメリカ、韓国で前に進む。でもそうすると中国は横目に、面白くないのでしょうか?
星氏:
中国からすると、そこは相当気になっていると思います。