中国は「断固反対し、強烈に非難する」
―――ただ、中国の外務省のコメントは「断固反対し、強烈に非難する。台湾問題は越えてはいけないレッドラインだ」と発表しています。対抗措置を示唆しています。関山氏によりますと「アメリカは非公式で個人的に訪問とすることで中国の立場に配慮」。ただ総統という立場でアメリカの議員と会っているということですから、この非公式というのはどういうふうに捉えたらいいですか。
関山健 京大准教授: 建前ですよね。下院議長は政治家ではないわけですが、アメリカにおいて大統領の継承順位が副大統領に次ぐ第2位、それだけの要職者が台湾の総統と公式に会うとなれば、一つの中国という中国が非常に大事にしている原則に背くことになりかねないんで、アメリカとしては蔡英文総統の訪米はあくまで個人的なものですよと。建前をいうことで中国に一定の配慮をしているということだと思います。
―――台湾ではどういうふうに受け止められているのか。台湾を取材している記者によりますと、アメリカとの交流を中国に干渉されたくないという意見や、長期的に見ればメリットという声も上がっているそうです。一方、若い人は「関心がない」という人が多い印象だということです。関山先生はどういうふうに考えますか。
どうでしょう、台湾としては、今中国からの統一の圧力がどんどん高まっている中で、台湾の独立を保とうとすればやはりアメリカの助けを得るしかない。そういう意味で今回蔡英文総統がアメリカに行ってアメリカとの関係強化を確認してきたということは、長期的に見ればその台湾の独立を守るという意味で、メリットだとそういう声じゃないかと思います。














