台湾の蔡英文総統が訪米してマッカーシー下院議長と会談。中国が反発を強めています。国際政治経済専門の京都大学関山健准教授は「中国なくしては繁栄はない。台湾人にとっては揺れ動いている。中国との関係はイイトコ取りしたいのが本音」と話し、中国と絶妙のバランスをとってきた台湾世論を解説しました。
―――民進党の蔡英文氏が訪米しています。また馬英九氏・前総統は中国を訪れています。馬さんが3月27日~4月7日、蔡さんが3月29日~4月7日で、時期はほぼかぶっていることを、どう見たらいいんでしょうか?
関山健 京大准教授: 3月19日にまず馬英九氏が訪中を発表して、その後、翌々日に蔡英文氏がアメリカを訪問すると発表しましたが、背景にあるのは、来年1月に台湾で行われる総統選挙、これに向けた主導権争いだと思います。
―――まず蔡英文総統の動きです。現在アメリカを訪問中、4年ぶりの訪米です。3月29日中米訪問の経由地としてニューヨークを訪問。ですから今回の外遊というのは、中米を訪れますよ、の「経由地」。グアテマラ・ベリーズを訪問した後、ロサンゼルスを「経由」して台湾に帰る、あくまでも経由地だということですが、その経由地ロサンゼルスではアメリカNo.3のマッカーシー下院議長と会談をしています。No.3と会ったということ自体はどういうふうに受け止めたらいいでしょうか?
アメリカNo.3の高い地位の人に台湾の総統が会うということは、アメリカが台湾を大事にしているという明確な政治的なメッセージになるということだと思います。
―――立岩さんはこの会談に関してはどんな印象を受けられましたか。
ジャーナリスト・立岩陽一郎氏: アメリカNo.3って言いますけど、別にナンバー3ではないんです。別に下院の議長です。なんでNo.3って言っているかっていうと、大統領継承権の3位というだけですから。民主党の人間でもないですし、彼らが会っているのは議会の人です。
政府が会ってるわけじゃないですから、そこはアメリカも配慮しているわけです。ホワイトハウスに呼んでいるわけでもなければ、その国務省の次官が会っているわけでもなくて、やっぱりあくまで議会だと、議会は政府じゃありませんよと。中国は「一緒と」言うかもしれないけど、民主国家においては3権分立してますからねという説明は常にできるようにしてるのが、今回の対応です。














