岡山ー山陰間の移動に立ちはだかる「アイツ」
「岡山に出るの、地獄だで」
鳥取県米子市に本社を置く放送局・BSS山陰放送の友人に、以前言われた言葉です。「岡山は地獄」。。。別に「岡山の県民性がどうとか」という話ではありません。岡山はいい人ばかりです、たぶん。
逆に言うと、私たち岡山県民も「山陰行くの、地獄じゃ」なのです。その互いの県民を「地獄へ道連れ(Another One Bites the Dust)」にするものとはいったい何なのでしょうか?

それは。。。岡山ー出雲市を結ぶ、JR伯備線の「特急やくも」です。乗る際にはくれぐれも、気ぃ付けられぇよ!(Look Out!)
何故かというと、ご存じの方も多いと思いますが、昔からこの「やくも」、乗ると「とにかく酔う」と評判なのです。もちろん、乗り物酔いしないという方にとっては「何を言よーるんじゃ」という話かも知れませんが。。。

かくいう筆者は、私事で恐縮ですが乗り物酔いには滅法強く、遊園地のティーカップ以外は何に乗ってもだいたい大丈夫。ネパールの山奥へ車で往復8時間揺られた際も、すれ違ったバスに乗っていた現地の女子高校生が窓の外に向かって車酔いする姿を見せる中、全く平気だった程です。

そんな私も経験した、数少ない乗り物酔いが「やくも」なのです。

だのになぜ 歯を食いしばり 君は乗るのか そんなにしてまで
(どこかの誰か)
「じゃあ、山陰には車で行けばいいじゃん」
えぇ、そうなんです。でも、岡山から山陰に車で行くのって、結構時間が掛かるんです。グーグルマップで検索して頂ければ分かりますが、岡山と米子とを結ぶ高速道「岡山道~中国道~米子道」は、ルートが「逆S字」になっていて、なかなか結構遠回りなんです。

ならば車を運転せず、電車に乗って、楽をしながら、駅弁食べながら、睡眠不足を補いながら、何なら車内で仕事も片付けちゃえ!と行きたいじゃないですか。所要時間は車と同じ2時間半だし。。。

ところがどっこい、岡山~米子(正確には倉敷~伯耆大山)とを結ぶ「伯備線」は、こちらもグーグルマップで見て頂ければわかりますが、地図上の「震えるような波打つ直線」を猛スピードで駆け抜けていくのです。
だからこそ、「やくも」の車内で仕事をするのは覚悟が要ります。車内でパソコン開いて営業書類を作ったあの日のことを思い出しただけで、お腹の辺りが何だかゴロゴロしてきて、気持ち悪くなってきました。

誰が言ったか知らないが、確かに納得「ぐったりはくも」
そんな「やくも」は、2010年から車両がリニューアルされ「ゆったりやくも」の愛称が付けられました。列車の側面に【画像⑧】のような可愛らしいイラストも。

しかし鉄道好きの社内の後輩から聞いたところによると「『ゆったりやくも』って、ネット上で『ぐったりはくも』ってディスられてるんですよ」とのこと。下車した時のあのぐったり感。。。どこの誰かは知りませんが、名付け親に心の中で座布団10枚を差し上げます。

なぜ「やくも」に乗ると酔うのでしょうか?その一因に、どうやら先述の通り「波打つ路線」を走る伯備線のルートと、「全国で唯一の国鉄型特急」381系という車両が関わっているようです。まずは得意の「RSK山陽放送・原稿検索システム」でその歴史を紐解いてみました。