致死率2.6倍 ヘルメットの重要性

ヘルメットを着用していない場合の、事故による損傷部位を示したデータによると、亡くなった方の58%が「頭部」を損傷していることがわかります。

ヘルメット非着用時の致死率(2022年)は、着用時に比べ、約2.6倍とかなり高い数字になっています。

自転車活用推進研究会 小林成基理事長:
自分の頭蓋骨の代わりにヘルメットが割れてくれるんですよ。自転車のヘルメットにはそういう特徴があるんでね。僕も実はそれで生き残った1人なんで。やっぱり「怖いな」と思ったらかぶった方がいい。

恵俊彰:
自転車に乗る場合は常にかぶるという癖をつけた方がいい?

自転車活用推進研究会 小林成基理事長:
僕は条件反射的にかぶります。本当に怖さを知っているからそうなるんですね。
転んだときに頭を打っちゃうんですよ。人間の体の中で頭ってすごく重いんです。
首の力じゃどうにも支えきれないので、特にスピード出して走ってるときに転ぶと、頭を打っちゃうんです。でも、ヘルメットをかぶらなきゃいけないような危険な道が多すぎるってことも問題ですよね。

実験映像で分かる頭部へのダメージ

≪自転車と車が衝突する場合≫
JA共済連の実験映像では、自転車が車にぶつかった瞬間、人形はガラスやボンネットに衝突、その後地面に叩きつけられます。特に頭部は、コンクリートの地面で大きくバウンド。ボンネットへの衝突よりも、地面に叩きつけられたときの方が大きな衝撃を受けているのがわかります。

≪自転車同士が衝突する場合≫
ヘルメットを着用していない場合に、自転車同士が出会い頭に衝突するJAFの実験映像。男性が乗る自転車が、親子3人が乗る自転車の後輪に衝突し、親子の自転車はバランスを崩して転倒。子どもを含む3体の人形の頭部が地面に激しくたたきつけられています。

どちらの映像でも、転倒した際、頭を打つ恐れが大きいということが分かります。

脳外科医に聞く“ヘルメット着用の効果”

ヘルメットの重要性は、数値からも分かります。

衝突や転倒による衝撃が脳に及ぼす影響度を示す目安として、「頭部損傷基準値(HIC)」があります。

脳神経外科医 前田病院副院長 前田達浩氏によると
「事故時のスピードやエネルギーなどを基準に計算する。一般的には、この数値が高いほど、重篤で死亡確率が高くなる」

HICが700を超えると、死亡する可能性が高くなるとされていますが、子どもが自転車の停車状態から転倒した場合―

▼「ヘルメットあり」の数値…288
▼「ヘルメットなし」の数値…888

となっています。

他の実験でも、ヘルメットの装着により、衝撃は4分の1に抑えられ、大けがの確率は、99%から2%に減少させることができるという結果が出ています。

ジャーナリスト 大谷昭宏:
やっぱりヘルメットをつけてないと、どれだけ危ないか。特に今、お子さん2人乗せてる自転車って、電動自転車でかなりスピードが出るんですよね。そこにヘルメットを着けずに3人乗っていると思うと恐ろしいですよね。