原爆遺跡について調査する長崎市の委員会は、一本柱鳥居など一部が国の史跡に指定されている山王神社について、「遺跡の範囲をその全域に拡大すべきだ」とする報告書をまとめました。

報告を行ったのは大学教授などからなる長崎原爆遺跡調査検討委員会です。

爆心地からおよそ800メートルにある山王神社は、原爆の爆風で『片方の柱が吹き飛んだ鳥居』や『熱線で焼けた参道の一部』が、国の史跡『長崎原爆遺跡』に指定されています。

今回の報告書では、調査の結果境内のおよそ200本の樹木のうち、19本が被爆していることが 新たに分かったなどとして、史跡の範囲を神社全域に拡大すべきとしています。

長崎原爆遺跡調査検討委員会 下川 達彌 会長:
「非常に特色あるものが遺跡として残っている。『山王神社の一本柱鳥居が原爆の悲惨さを与える』それはそれなりにインパクトを持っている。
ただそれで止まってはいけないんじゃないかと」

市では「調査結果をもとに山王神社側と協議した上で『史跡指定の拡大』に向けて、国に働き掛けていきたい」としています。