「子どもが幸せになれる保証ない」奨学金返済が減額でも…
奨学金を返済中の25歳の女性。一緒に暮らしている交際相手がいますが、今は結婚も子どもも考えていません。返済が減額されるとなれば「結婚や出産を促す周囲からの圧力が強まるのでは」と心配しています。

奨学金返済中の女性(25)
「友達との話題の中とか家族からもそうだし、『結婚しないの?』とか『子どもは?』とかすごいですよね。奨学金(返済)が減らされるんだったら『やっぱり子どもいた方がいいじゃん』って絶対言われるわって思って。
お金がないから子どもがいらないということだけじゃない。子どもが産まれても、この子どもが幸せになれる保証がどこにもないと思って。環境もそうだし働き方もそうだし、とても良くなるとは思えない」
奨学金に関する相談を受けているNPOは「そもそも大学など高等教育にかかる費用が高すぎることが問題だ」と指摘します。

NPO法人 POSSE 岩本菜々さん
「今の給料では1人でも生活できないという人がすごく沢山いる。自分の奨学金が一部減額されたとしても、子どもの教育費負担は残る。根本的な高等教育の無償化だったり、給付型奨学金が充実させられるとか、そういうことがない限り結局貧困が再生産されていってしまう」
「恋人いない」「自由失いたくない」若者未婚のワケとは?
小川彩佳キャスター:
子育て中、出産後、出産前、そして結婚前とあらゆる段階でのアプローチを、同時進行で進めていかないといけないと中々変わっていかない現実がありますよね。
山本恵里伽キャスター:
岸田総理は他にも「若い世代の所得を増やす」「望まない非正規の正規化」などといった対策の方向性も示してます。

一方で、若者の未婚化についてはこんなデータもあります。今年の日本財団「18歳意識調査」の中で「将来実際に結婚すると思うか」という質問に対して「たぶんしない・絶対しない」が22.6%を占めています。その理由を聞いてみると「恋人がいないから・1人でいる方が精神的負担が少ない」というのが45.7%と最も多く、「自由を失いたくない」というのが30.9%などとなっています。
バイデン政権は「1人約130万円の返済免除」 日本はどうなる
小川キャスター:
今生き方がどんどん多様になっていますから、若者が結婚しない、子どもを持たないという理由が必ずしも経済的な理由ではないわけで、いろんな幸せの形というのが尊重されるべきではありますが、ただ経済的な理由で子どもを諦めてしまう、結婚を諦めてしまう人は実際にいるわけですよね。対策が必要ですよね。

星浩コメンテーター:
とりわけ奨学金の問題ですね。この奨学金が重くのしかかって、結婚をためらったり出産を控えたりというケースが実際に相当あると言うことははっきりしているわけですよね。自民党の一部には結婚や出産をしたら奨学金を減免するという考え方もあるんですが、むしろそうではなく、たとえばアメリカのバイデン政権が打ち出したように、もちろん所得制限を付けて1万ドル(約130万円)一気に減免するというような思い切った対策というのも必要になってきていると思いますね。
小川キャスター:
それこそ異次元の少子化対策というところですよね。政府が今週中にとりまとめるという対策のたたき台、注目して参ります。