そして迎えた本番、3人の演奏が始まると地区の住民らおよそ50人がその音色に耳を傾けました。

演奏が終わると、会場からは3人の演奏に大きな拍手が送られました。
会場には澤舘さんの母・嘉美さんの姿がありました。12年前のあの日、生後6か月だった娘の成長を肌で感じていました。
(澤舘嘉美さん)
「当時は自宅にいて、地震が来たので近所の人たちと裏山に、おんぶして(逃げた)。(12年経過して)不思議な感じがする。町の人たちに元気を与えられたり
癒したりできたらいいなと思う」
(澤舘優里佳さん)
「笑顔で見てくれる人もいて、自分たちが弾いた曲をどういう風に受け止めているのかなと思いながら弾いた。3.11は多分辛いことだけど、12年経った今、自分たちの弾いた曲を忘れないでほしい」
当時2歳や生後6か月だった子どもたちは12年経った今、町に未来への希望の音を届けられるようになりました。その音色は、町で育つ子どもたち一人ひとりの姿こそが被災地の未来そのものであり、希望であると感じさせる、優しく前向きな音色でした。