東日本大震災の発生から丸12年を迎えた3月11日、岩手県大槌町でコンサートが開かれ、3人の子どもたちが出演し、バイオリンの演奏を披露しました。震災発生当時、生後6か月や2歳だった子どもたちが奏でる希望の音色を取材しました。
3月11日、大槌町安渡で開かれた「槌音(つちおと)メモリアルコンサート」。地震発生時刻の午後2時46分、慰霊施設の前では町出身のトランペット奏者やサックス奏者らが「ふるさと」を演奏し、犠牲者へ鎮魂の調べを捧げました。
この日は町出身の3人の子どもたちも出演していました。本番を前に公民館の控え室でバイオリンを練習するのは大槌学園8年生の山口凛々さんと佐々木悠衣さん、そして6年生の澤舘優里佳さんです。
3人は被災地の子どもたちを音楽で支援しようと2014年に始まった「大槌子どもオーケストラ」に所属しています。
山口さんと佐々木さんは震災が発生した時、2歳でした。山口さんは町の中心部・上町にあった自宅を失いました。
(佐々木悠衣さん)
「震災の時は2歳で何もできない状態で、亡くなった人を弔う日に演奏ができて、自分も役に立てているのかなと思うことができる」
澤舘さんは当時生後6か月で、震災の1週間ほど前に初節句を迎えたばかり。その時の記憶はありません。
(澤舘優里佳さん)
「去年初めてこういう(演奏の)機会に出させていただいた時に、感動を与えられることがすごくうれしかった。今回も頑張りたい」
3人はそれぞれの意気込みを胸に直前まで練習を重ねました。