■2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™準決勝 アメリカ代表14ー2キューバ代表(日本時間20日、フロリダ州ローンデポ・パーク)
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の準決勝で、連覇を狙うアメリカ代表がキューバ代表を14ー2で下し、2大会連続2度目の決勝進出を果たした。
1回に先制点を許したが、すぐさま3番・P.ゴールドシュミット(35・カージナルス)の2ランで逆転すると“最強打線”が本領発揮。前日に逆転満塁弾を放ったT.ターナー(29)が2本塁打を放つなど6回まで毎回得点を重ねていった。キューバは12安打もわずか2得点のみに終わり、アメリカはこの試合二ケタ14安打の大量14得点で、古豪キューバに圧勝した。
WBCファイナルラウンド(準決勝、決勝)での1試合14得点は過去最多で、これまでは10得点(06年決勝の日本、09年準決勝の韓国)が最多だった。WBC1試合の最多得点は韓国代表の22得点(23年1次R中国戦)。決勝は同球場で22日に行われ、日本代表とメキシコ代表の勝者と対戦する。
◆序盤からアメリカ“最強打線”が爆発!
前日の準々決勝で大逆転勝利を収めたアメリカ代表は、第1回大会(06年)以来の準決勝となったキューバ代表と対戦。
アメリカ代表の先発はメジャー通算195勝を誇る大ベテランの41歳・A.ウェインライト(カージナルス)。1次ラウンドのイギリス戦では4回1失点とアメリカの開幕戦で勝利投手となった。1回は先頭R.サントス(35)にセカンド内野安打を許すと、アンラッキーな3連続内野安打で無死満塁のピンチを招いた。ここで4番・元ソフトバンクのA.デスパイネ(36)に押し出しの四球を与え、キューバに先制点を献上。以降ウェインライトは毎回ランナーを背負うが上下、左右にボールを散らし、円熟された投球術でキューバ打線に連打を許さず、4回まで1失点の好投を見せた。
アメリカ打線は1点ビハインドの1回、先頭のM.ベッツ(30・ドジャース)がレフトへのツーベースで出塁すると、3番・P.ゴールドシュミット(35・カージナルス)が、内角低めのボールに左腕を上手くたたみレフトスタンドへ逆転の2ランを放った。昨季ナ・リーグMVPが技ありのひと振りで試合を早くもひっくり返した。
さらに2回には前日、逆転満塁弾の9番・T.ターナー(29・フィリーズ)がストレートを完璧に捉えレフトスタンドへソロ本塁打。前日から2打席連続ホームランで3-1とチームに勢いを付けた。
止まらないアメリカ代表の攻撃は3回、ホームラン王3度、打点王2度の4番・N.アレナド(31・カージナルス)のヒットから2つの四死球で無死満塁。ここで今大会11打数1安打(打率.091)と大不振の7番・P.アロンソ(28・メッツ)がレフト前へタイムリーヒット。この大事なチャンスで昨季ナ・リーグ打点王が目覚め、WBC初打点を挙げた。さらに8番・T.アンダーソン(29・ホワイトソックス)の犠飛で5ー1。4回は2死一塁からN.アレナドがライト線へタイムリー3ベースを放ち、さらに相手のワイルドピッチで7ー1とリードを広げた。
◆勢い止まらず、ファイナルラウンド過去最多得点
序盤から毎回得点を挙げてきた打線は5回、2死満塁のチャンスを作ると1回に逆転2ランを放ったゴールドシュミットがこの日4打点目となるライト前への2点タイムリーで9ー2と突き放す。続く4番・アレナドは右手の指にデッドボールを受け、痛そうな表情を浮かべ指を動かしていたがそのまま途中交代となった。これまでアメリカ代表の4番を務めてきた主軸の故障が心配される。
6回には1死一・二塁で“恐怖の9番”ターナーがストレートを完璧に捉え、この日2本目となるレフトスタンドへの3ランホームラン。これで終わらず1番・ベッツがこの日3本目のヒットで出塁すると、ここまで4打数無安打の2番・M.トラウト(31・エンゼルス)もライト線へタイムリーを放ち、6回まで毎回得点で13ー2とワンサイドゲームとなった。8回には途中出場のC.マリンズ(28・オリオールズ)にもホームランが生まれ14ー2。
投手陣も先発のウエインライトが4回1失点、2人目の元巨人でNPBでは最多奪三振のタイトル、MLBでは2018年に最多勝の獲得したM.マイコラス(34・カージナルス)が4回1失点。最後はA.ループ(35・エンゼルス)が1回無失点と3投手の継投で勝利。連戦となったアメリカ代表は中継ぎ陣を休ませることができ、投手陣も万全の大勢で決勝に臨む。
アメリカ代表は試合を重ねるごとにチーム状態を上げ、最高の形で2大会連続の決勝進出を決めた。21日は侍ジャパンが決勝進出をかけてメキシコ代表と対戦する。
【アメリカ代表今大会成績】
12日1次R アメリカ 6-2 イギリス
13日1次R アメリカ 5-11 メキシコ
14日1次R アメリカ 12-1 カナダ
16日1次R コロンビア 2-3 アメリカ
※1次ラウンド3勝1敗(プールC2位)
19日準々決勝 ベネズエラ 7-9 アメリカ
20日準決勝 アメリカ 14-2 キューバ
22日決勝