4月、オオサンショウウオの目撃が各地で相次ぎましたが、岡山には絶滅危惧種に指定されている小型のサンショウウオがいます。その生息地では今、赤ちゃんが育っています。この時期しか見ることができない姿です。


【花口光さん】
「これがセトウチサンショウウオの幼生=赤ちゃんなんですよ。顔を見るとかわいいからね、森の妖精ちゃんです」
岡山市東区のとある山奥の水路です。保護活動を続けている花口光さんに案内してもらいました。


ひっそりと生息しているのはセトウチサンショウウオの幼生です。県南を中心に生息する小型のサンショウウオでカスミサンショウウオの岡山型とされてきましたが近年の遺伝子解析などで別の種とわかり、新たにセトウチサンショウウオとして分類されました。幼生の姿は今しか見られないといいます。
【花口光さん】
「見られるのは3月から5月いっぱい6月の始めくらいまで、こういう環境があればどこでもいるのかというと、いるところが限られているので、珍しいと言えば珍しい。」

幼生の時期を過ぎるとエラはなくなります。成体は主に土の中で過ごすため観察することは難しいといいます。耕作放棄地の拡大で用水路に水が流れなくなったことや、すみかがコンクリートで固められてしまったことなど、環境の変化で住む場所は年々減っています。
生息が脅かされているとして環境省や県の絶滅危惧種に指定されています。


【花口光さん】
「こういうのが住める環境ではなくなっているから、昔いたよなと思う所を探してもほとんど見当たらない」


花口さんはセトウチサンショウウオの生育場所の手入れや幼生と卵の観察会などを20年ほど前から続けています。
【花口光さん】
「必死で次の世代を残すために生きているわけでしょう、そういうのを見ると考えさせられるものがある、次の代に繋がるようなことをしていきたい」

この時期だけのかわいらしい姿を見せたセトウチサンショウウオ。悲しい運命をたどることがないようにと命を繋ぐ活動が続きます。