ヒジャブ着用をめぐるデモ 毒ガス事件との関連は

イランでは2022年9月、髪の毛を覆うスカーフ=ヒジャブの着用が不適切だとして拘束された女性が、その後急死したことを発端に反政府デモに発展。多くの若い女性たちが声を上げました。
人権団体によると、治安部隊による鎮圧などにより未成年68人を含む、632人が死亡したといいます。
2020年、チェスの国際大会でヒジャブをかぶらずに審判を務め、その後イギリスに亡命したイラン人女性は・・・

イギリスに亡命したイラン人 バヤットさん
「これは人権と女性の権利の侵害だと思います。私は強制的なヒジャブの着用に反対しています。これは抑圧だと思います」
イラン当局から謝罪を求められ、帰国すれば逮捕の可能性があると警告を受けたと言います。
イギリスに亡命したイラン人・バヤットさん
「私たちは女性の権利と人権のために戦っています。私たちは平和を求めています。自分の意見を言ったからといって、逮捕されることを望んでいません。普通の生活をしたいだけです」
イラン政府への抗議は世界に広がりました。

2月 ロサンゼルスでのデモ「イランに民主主義を」
1月 パリでのデモ「女性に連帯を」
2022年12月 東京でのデモ「女性、人生、自由」
2月、首都テヘランを訪ねると・・・

記者
「前にいる女性2人、ヒジャブを着けていないんですよ。ヒジャブすら肩にかけていないんですよね。非常に強い意志と一連のデモの連帯というのを感じます」
抗議デモと、女子生徒を狙った毒ガス事件の関連はわかっていませんが、生徒の親など、市民の不満は再び高まっています。

中東調査会 青木健太 主任研究員
「イランの当局が、しっかりと教育施設を守るような治安対策を講じてこなかった。初動の遅れがやはり目立つというところが、国民の多くの中で政府に対する不信感を呼んでいる。また抗議デモの再燃ということになるという懸念がある」