取材目的は「ウクライナ側の情報 実際どうなのか」
―――ロシアの情報はプロパガンダとされたり、真偽はどうなんだと指摘される点も多いんですけが、佐々木先生はウクライナの情報も実際のところどうなんだと、取材するため現地に行かれているんですが、何かわかったことはありますか。
大和大学 佐々木正明教授: やっぱり来てよかったなという感じがいたします。日本の報道は、ゼレンスキー大統領の言葉だったり、国際関係の状況がどういう風に推移していくのか、もしくは戦況報道がメインです。ウクライナの普段の姿というのは全く見えない状況だなと。私自身、日本にいるときいろんなチャンネルを通して情報入手していますが、こちらに来てその情報が覆されるというか、肌で感じる風景というのは本当に来てよかったなというふうに感じます。
―――現地での報道を見て何か感じることはありますか。
つぶさに見ているわけではないんですけども。キーウの町はつとめて平静です。夕方散策しますと、思い思いに市民が、カップルが歩いていたりとか、マクドナルドに家族連れがいたりとか。綺麗な観光地に行きますと、国内の方々が来ていて、この表面上はこれ戦争なのかなという感じもいたします。
―――市民の憤りとか、本音というか心理状態などはどうなんでしょうか?
笑顔で街を歩いていても、一旦聞きますと、それぞれ戦争への思いが聞かれるんです。マリウポリ支援センターというところに一昨日行ってきたのですけども、「12月に逃げてきた。お金を現地の国境警備隊とかに与えて支援団体に与えて逃げてきた。現地では自分の考えを言うことはできない。そんなこと言ったら自殺だ」みたいなこともおっしゃってました。
顔つきが全く変わるんですね。昨日も主婦が集まるような小学校の部屋があって、そこでは皆さんが戦地で兵士が着る、カモフラージュ(迷彩服)のコートを作っているのです。そこで皆、戦地に送るのですけども、戦闘には行かないような、おばあちゃんお母さん世代が戦地の兵士の無事を願って、そしてウクライナの勝利を願って、一日中そこで迷彩服を作っているという場面にも巡り合いました。














