ゆりかごまでの”長い”道のり

慈恵病院の正面から少し外れた場所に「ゆりかご」の入口はあります。

「すぐに扉があるわけではなくて、長い通路になっています」(記者)
「ここなんだ…」

扉に辿り着くまでの時間は想像以上に長く感じました。
この道のりを相談員の民永さんはこう捉えています。

「赤ちゃんと、お母さんだったり、お父さんだったり、との最後の時間ということにもなりかねないので、そういった距離感なのかなと思います」(新生児相談室 民永里織さん)

「あけてみます。重たい、扉」
扉は二重になっています。

「これ(手紙)をとると…」
手紙には悩みを共有したいというメッセージ。

子どもが預け入れられると、院内のブザーが作動し、スタッフが赤ちゃんの保護に向かいます。


「何かしら異常があったときには酸素もつけてるのでさっと応急手当ができて、その間準備して処置が必要であれば小児科とかで処置ができるようになっているので」(民永さん)

民永さんは、この場所で赤ちゃんや、預け入れた人と何度も向き合ってきました。
「ものすごく(赤ちゃんや預けた人たちが)どこでどうしてるんだろうなっていうのは思うんですよね」

「ごめんなさい、ちょっと思い出しちゃって…すみません」

預け入れに来る人。
そして、対応するスタッフたち。
その誰もが、生半可な気持ちではありません。