修験の山として古くから知られている、山形県鶴岡市の羽黒山。2446段、距離およそ1.7キロの参道にも、ようやく春が訪れました。


今年(2022年)の参拝シーズンが始まった4月29日。

荷物を担ぎ、杖をついて参道を登るお年寄りがいました。

「23歳の頃から休みなく」参道を上り続ける86歳のおばあちゃん

髙城静恵さん(86)「23歳の頃から登り始めて、休みなく。あ、冬は休み。半年は休み」

86歳の髙城静恵さん(たかぎ・しずえ)です。

髙城さんの家は代々、茶屋を営んでいます。
歩いてしか行けない、この参道の先の茶屋です。

髙城静恵さん(86)「(リュックには)小豆とかもち米とかそういうもの、いろいろ入っているんです」

髙城静恵さん(86)「足がフラフラだ」

大きなリュックを背負い、「よいしょ」という声と共に登っていきます。

髙城静恵さん(86)「到着~」

そして大きく息を吸い、お辞儀。

こちらが、およそ1300段の石段をのぼった先にある“歩いてしか行けない”「二の坂茶屋」です。


この日、今シーズンの営業が始まりました。

木で作られた茶屋からは外の景色を一望できます。

ディレクター「眺めがいいですね!」

髙城静恵さん(86)「眺めいいです。日本海なんです、あの地平線の向こうが。(茶屋は)今まで雪の中にうずくまっていたけれど、きょうはもうバンザイ(笑)」

毎年、参道の雪が消える、4月下旬から11月上旬の間だけオープンする二の坂茶屋。
店には電気が通っていないため、夕方までの営業です。

店主の静恵さんと孫の豪さん、娘の千賀子さんなど、一家で切り盛りしています。