東日本大震災から12年。被災地の今を見つめるつなぐつながるプロジェクトです。震災の翌日に生まれた少女が、今年、命をつないでくれた人たちへの想いを胸に空手の日本一に挑みました。
三陸の海を背に空手の技を決めるのは岩手県釜石市の照井心陽さん(11)。誕生日は3月12日、東日本大震災の翌日です。
あの日、出産を控えていた母・和枝さんは入院先の病院で地震に襲われました。
母・照井和枝さん
「天井が外れて落ちてきそうな感じだった」
部屋は停電で真っ暗に。翌朝、主治医から自家発電の最小限の電力で帝王切開を提案されました。
父・照井眞一さん
「子供の方なのか、カミさんの方なのか。あるいはどっちもなのか。『万が一のことはありますから』って言われて」
手術は1時間に及びましたが、元気な赤ちゃんが生まれました。
母・照井和枝さん
「無事に生まれてきてくれた、よかったなって思いました」
自宅は無事でしたが、街は一変。誰もが生きるのに必死だった状況で、近所の人たちが心陽ちゃんを助けてくれたといいます。
父・照井眞一さん
「おしめ買ったとか、ミルク買ったとか、水持ってきたとか。本当、みんなに支えられて、ここまで大きくなってきてんだから、人への感謝、そこは忘れんなよって」
震災の翌日に産まれた 照井心陽さん
「周りの人にすっごく協力されてたって(両親が)言っていました。人って“つながっているんだな”って思いました」
災害の中で周囲につないでもらった命。丈夫に育ってほしいと通い始めたのが近所の空手道場。心陽さんは3歳から空手を習い始め、自宅では父と二人三脚で猛特訓。めきめき上達し、さまざまな大会で優勝するまでに。
そして先月、小学生最後の全国大会に出場、「形」の部で日本一を目指します。
しかし、ラウンド1で敗退。悔しさがあふれる中でも、口にしたのは“つないでくれた人たち”への感謝でした。
震災の翌日に産まれた 照井心陽さん
「(コロナ禍で)空手をするのが大変な人もいるから、お父さんお母さんには感謝したい」
1か月後、道場で練習する心陽さんの側には、いつもの様に寄り添い、励ましてくれる両親がいました。
震災の翌日に産まれた 照井心陽さん
「人って一人では生きられないんだなって思いました。これからも大会とかでいっぱい優勝して、いろんな思いを含めて、いままでありがとうっていうことを伝えたいと思いました」
震災の中で生まれた小さな命は、感謝の想いを胸に大きな目標を目指します。
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