母国から戦火を逃れ来日したバレエ講師のウクライナ人女性。この週末ウクライナへの平和の思いを込めた公演を行いました。
■日本とウクライナを繋いだバレエ
4月16日、成田空港。子供たちが、何やら熱心に作っています。完成したのはプラカードです。さらに、用意していたのは手紙。そこには「だいすき」と書かれていました。

子どもたち:
早く会いたいです。楽しみでもあるのですが、心配です。
子どもたちが待ちわびていたのは、ユリーア・ヴェルランさん(34)。ウクライナのキーウから日本に避難してきました。

ユリーアさん:
空爆を見ました。とても危険で荷物をまとめてウクライナから出ることにしました。
ユリーアさんと日本を繋いだものとは・・・それは、隔離期間明けに彼女が訪ねた先にありました。“バレエ教室”です。

ユリーアさんは、キーウのバレエ学校の講師で、世界各地で公演も実施。日本には5年前に初めて訪れ、講師として何度も来日しています。日本でバレエ教室を営む岡本るみ子さんが支援し、今回の避難が実現しました。
バレエ教室の子どもたち:
ユリーア先生おかえりなさい
バレエ教室の子ども:
日本で好きな食べ物は何ですか?

ユリーアさん:
寿司、ラーメン
ユリーアさんが日本行きを決めた大きな理由に、以前に指導した“子どもたちとの絆”があります。
ユリーアさん:
子供たちにまた会いたかったです。子供たちはいつも私を尊敬してくれています。私はそれをとても大切に思っています。
子供たちにとって、ユリーアさんは“憧れの存在”です。
バレエ教室の子供たち:
すごく上手でキレイだと思いました。
ニュースで戦争のことを知り、心配していた子どもたち。
バレエ教室の子どもたち:
ニュースで戦争のことが流れてくると、大丈夫かなと心配していました。
戦争とかがあって気持ちも落ちているのではないかと思っていました。また再会できてよかったと思います。
一方で、気がかりなことも・・・。一時避難していたハンガリーで離ればなれになった母親のことです。連絡はテレビ電話です。

ユリーアさんの母:
元気そうでなにより。会いたい。(避難先では)お店に行ったり散歩したりしているよ。でも家に帰りたい。
ユリーアさん:
早く家に帰れるようになるといいね。
ユリーアさんの母:
(戦争が)終わったらすぐに。
ユリーアさん:
母はビデオ通話で私を見ていつも泣いてしまいます。私は一人娘なので。

いまのウクライナの思いを多くの人に伝えたい。そう考えたユリーアさんは、日本でバレエの公演を行うことにしました。
ユリーアさん:
ウクライナのための祈りです。できるだけ早く戦争が終わるように。私たち(ウクライナ人)の気持ちや経験を皆さんに伝えたいと思います。