業者向け試食会で用意した“変わりダネ”とは?
これをチャンスととらえた所さんらは去年10月に行動に出ます。大阪では実に35年ぶりとなったニタリクジラの生肉の水揚げを大々的にPRして、クジラを食べてもらう機会を増やそうと動き出したのです。
そして今年2月。所さんの姿が再び大阪にありました。飲食店や販売業者にクジラの魅力を知ってもらおうと試食・商談会を開催したのです。
生肉のお寿司に、マグロユッケならぬクジラユッケ。ほかにも、業界初だという「クジラ肉100%ソーセージ」などを用意しました。
次のような“変わりダネ”も。
(共同船舶 所英樹社長)
「これは畝須という部位。畝須っていうのはクジラの“ひだ”になって海水と一緒に魚を飲み込んだ時にこーんなにふくれるところですね。今まではベーコンにするしか使いようがなかったんですけど、これを中華料理屋さんに頼んで角煮にしてもらいました」
そのお味は?記者が試食させていただきました。
(記者)「脂っこくなくて、でもトロトロ。なんでしょう、牛すじみたいな感じ」
(所英樹社長)「コラーゲンみたいなものですね」
参加者もこれまであまり知らなかったクジラ肉の可能性に興味津々です。
(来場者)
「飲食店をやっているんですけど、(クジラを)なかなか触る機会がないので。そんな一般には広まっていないと思うので、先駆けてやっていけたらいいかなと」
「クジラを扱うことになって、僕も全く無知なので、ちょっといろいろ勉強しようかと。鍋セットみたいなものを置いているところもあったので、ああやってちょっと薄くスライスしてパックすれば結構食べやすいのかなみたいな」
反応はまずまず。所さんも手応えを感じたようです。
(共同船舶 所英樹社長)
「食いつきがいいっていうんですかね。(東京と)全然熱量が違う。新しい飲食店の方にどうやってクジラの業界に参入していただくか、そこが大きなポイントだったので、その目的は十分に果たしたと思います。大変期待しています」