クジラの話になると止まらない…「クジラって魔力がある」

 そんなクジラ一色の所さんですが、社長になったのはわずか3年前。会社は赤字経営が続いていて、当時コンサルティング会社にいた所さんに立て直してほしいと声がかかったことがきっかけでした。
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 社長に就任以来、所さん自身もクジラ肉にどっぷりハマり、今では週3回は食べているといいます。所さんと大阪市北区の「新・どおぞの」を訪れると、出てきたのは色鮮やかなお刺身。

 (共同船舶 所英樹社長)
 「きれいでしょ、ほらこれこれ。これ尾の身ですね。尾っぽの動くところはクジラってね、周り全部脂。中は全部筋肉なんですよ。よく動くところは、筋肉もあるしサシも入る」

 見た目ほど脂っぽさはなく栄養価が高いことも魅力のひとつだといいます。

 (共同船舶 所英樹社長)
 「(Q飽きない?)飽きないですよ、これ。脂がやっぱり、やわらかい脂、オメガ3ですから。なんでオメガ3がいいかって知ってる?」
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 クジラの話になると尽きることはありません。

 (共同船舶 所英樹社長)
 「クジラって魔力がある。やり始めると、とことん入っていっちゃう。なんでこんなに一生懸命やってんのかなって思うことがあるよ。でも好きなんだね」

日本ではかつて“庶民の味方”として親しまれてきた

 所さんがのめりこむクジラの世界。長い歴史の中で逆風を受けた時代もありました。いくつもの船が大きなクジラをとらえる瞬間を描いた絵巻。江戸時代に描かれたとされる作品「紀州太地浦鯨大漁之図鯨全體之図(太地町立くじらの博物館所蔵)」です。
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 日本では古くから捕鯨文化が受け継がれ、かつては牛肉や豚肉より安価で、庶民の味方として親しまれてきました。
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 しかし世界的な反捕鯨運動の高まりを受けて日本は商業捕鯨を一時停止。その後、IWC(国際捕鯨委員会)からの脱退を機に、4年前から捕獲枠を設けて再開しました。