タイから来た16頭のゾウ…パトカーが先導し会場まで”公道を歩き”移動

パトカーに先導されながら幹線道路を進むゾウ。

タイを離れ、1970年8月3日に神戸港に降り立った16頭のゾウは、その日のうちに神戸を出発し、万博会場までの約40kmを歩いて移動することになりました。

王子動物園の中からはゾウの行進は見えませんでしたが、こんな伝説も・・・
(王子動物園の元副園長 花木久実子さん)
「(ゾウの)コミュニケーションのひとつとして、低周波音による話ができると言われていて、すごく低い音なので人間には聞くことができないですけれど、ゾウはその音をキャッチすることができると。ちょうど(動物園の)前の道に差しかかるもう少し向こうくらいから、王子動物園にいた2頭のゾウがちょっと興奮して、運動場を走ったり、パオーンって鳴いたりして」

日本のゾウとの対面はかないませんでしたが、エサをゆっくり食べる間もなく万博会場を目指します。

慣れないアスファルトに足を痛めたゾウも出たため、兵庫県西宮市の武庫川で、しばしの休息。その姿を一目見ようとここにも大勢の人が集まりました。結局この日ゾウたちは河川敷で野宿することになりました。

(王子動物園の元飼育員 吉竹渡さん)
「のんびりというか、川辺で水浴びしたり、草を食べたりしていました。“古き良き昭和の時代”の万博ですよね」