東日本大震災の発生からまもなく12年。被災地域の人口減少が課題となる中、アニメや漫画を通じてまちを発信している若者たちが、岩手県宮古市にいます。

 アニメ動画を作ったのは「三陸宮古の明日を映す実行委員会」です。震災後も人口減少が進む中、アニメを通して若者たちが交流できる場を作ろうと2014年に立ち上げられました。

(宮古の明日を映す実行委員会 三浦洋佑さん)
「アニメでしかできない表現って結構あるじゃないですか。現実のドラマではできないような表現の幅の違いだったりとか、曲がアニメの内容にリンクしていたりとかがすごく心に響く。宮古を盛り上げていきたいという思いが強くて、自分たちも活動していく中で、宮古の外の人たちにも、宮古が良いまちだというか、こういうおもしろいことをやっている人もいるんだぞっていうところを、皆さんに知って頂いて、どんどん宮古に人が来てくれるようになったらいいなと思います」

 実行委員会のメンバーは、アニメやアニメソングが好きな会社員や学生合わせて20人ほど。宮古市出身・在住のメンバーのほか、宮古にゆかりのあるメンバーなどが在籍しています。

 中には東日本大震災で被災したメンバーも。当時、高校卒業を控えていた大坂尭さんは教科書販売のアルバイト中でした。

(大坂尭さん)
「ちょうどここですね。並んでいた棚が全部バタバタ倒れてきて。そこに宮古小学校があったので避難をして」

 大坂さんが避難したおよそ20分後、津波が宮古のまちを襲いました。

(宮古の明日を映す実行委員会 大坂尭さん)
「自転車もダメ。道中見たら、NTTのビルに船が突き刺さっている。ガソリンスタンドの建物が流れて横にずれていて、止まっているなこれ、という感じで。当日よりその次の日の、落ち着いて目の当たりにした風景の方が結構衝撃的なことが多くて。それを見た時に、本当大丈夫かな宮古って」