学歴差別…保育士一斉退職で新規受け入れ中止
さらに、大分市内の別の認可保育園でも保育士8人が退職することが判明。新規の受け入れは中止を余儀なくされ、園長も退職する事態に発展しています。なぜ、一斉退職が起きたのか、今も保育園で働いているAさんは園長の対応や職場の管理不足が背景にあったと証言します。
(退職する保育士Aさん)「学歴を差別する発言や『やめろ』と言われていた。人数不足ということもあって一人ひとりの負担や責任が大きい。ベテランの先生もいない。どうしてもついていけない…不信感が生まれてしまった」
全国で一斉退職が急増、保育士不足で引く手あまた
日本保育学会の理事で福岡教育大学の田中敏明名誉教授は保育士の一斉退職は、大分市だけでなく、全国で急増していると指摘。保育士不足で引く手あまたの状況が続き、問題を抱える職場は選ばれにくくなっていると分析します。
(日本保育学会田中敏明理事)「どうしたら保育の質を高めることができるか、学会の大きな課題として取り組んでいます。単に休み時間やお金だけでなくて働きやすさ働きがいのある職場づくりをもう一回見直さなければならない」

この春、保育園を退職するAさんは行政にも働きかけて最後まで園に残る道を模索しました。今でも保育士が子どもと向きあえる職場環境を作ってほしいと訴えます。
(退職する保育士Aさん)「市役所や労働局に問い合わせを何度もやったが結局、改善されなかった。言い方が悪いかもしれないが心が折れてしまった。子どもや保護者のことは本当に大好きだから一直線に子どもを全力で愛して活動できる保育施設が増えてほしい」