懐かしいという人も多いのではないでしょうか。2021年まで青森駅の屋上で輝いていたこの文字。

駅の名前を記した「駅名標」です。柔らかな平仮名で表記され多くの人に愛されましたが、駅舎の建て替えに伴い姿を消しました。

この駅名標、当初は、廃棄される予定でしたが、青森駅のシンボルを残そうと一部ではありますが保存が決まりました。
JR東日本の青森営業統括センターです。ここでいま、保存しているのが・・・。

この駅の文字、実はおととしまで使われていた青森の駅名標の一部です。本来であれば廃棄される予定でした。その危機を救ったのが、青森市出身で統括センターの副所長をつとめる山口智(やまぐち・さとし)さんで同僚と協力して修理し保存しています。

※JR東日本青森営業統括センター 山口智副所長(47)「点いた時はみんなで拍手をしました。「懐かしい、これだ」というのはありました」

青森駅の景観は、時代ごとに大きく変貌してきました。戦後の復興期は、まだ屋上に駅名標はありません。初めて設置されたのは1959年、4代目の駅舎が建設されたときです。この時の表記は漢字でした。

また、1968年に東北本線が単線から複線になったときは、お祝いムードを盛り上げるべく特別な装いに。そしてこの翌年、1969年にひらがな表記になりました。

駅名標の変遷はこれで終わったと思った方々、実はさらに、奥が深いのです。駅名標は1980年代に交換。特に、「り」の文字が分かりやすいのですが、1代目と2代目では書体が異なります。

こうして、姿を変えながらも半世紀以上、行き交う人に愛されてきたひらがなの駅名標。その歴史も、おととし3月に駅舎の建て替えにあわせて幕を閉じることになります。

※2021年3月26日「ひらがなで「あおもり」と親しまれた屋根上の「あおもり駅の」照明を消して、最後とします」

