コア部品の内製が強み 2025年末までに日本国内100拠点を目指す

中国のBYDはどういう企業かを改めて見てみよう。1995年に電池メーカーとして創業。2003年に国営自動車メーカーを買収すると2009年にEVの発売を開始、わずか13年でEV販売世界一となった。
ーー東福寺氏はもともと三菱自動車に勤め、フォルクスワーゲンを経てBYDだ。自動車業界に身を置いてきた立場から見て、BYDという企業の強さはどこにあるのか。
BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
技術面ではバッテリーメーカーから始まっているということもあり、バッテリーや電子部品の開発生産力がものすごく高いということと、特にコアの部品を全て内製しているということで、いわゆる垂直統合型の企業の一つだと思います。
ーーバッテリーも半導体もモーターも自社で生産している。
BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
何か特定の部品の供給が滞ってしまって生産ができないなどという状態が極めて起こりにくい体制にもなっていますし、開発力に加えて生産を増強する能力もすごく高いと思います。
ーー倍々ゲームで台数が増えていると思うが、供給不足が起きたり、部品の欠陥が起きたりということはないのか。
BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
2022年が180万台を超える販売台数でしたが、数十万台はまだバックオーダーになっています。そういう意味では追いついていないのですが、21年と比べると2.5倍の販売規模になっているということは、それだけ生産増強ができているということだと思います。
―ーー国企業はグローバル感覚がすごい、意思決定が早いと感じるか。
BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
スピード経営という点ではものすごくスピードが速いと思います。IT企業でもありますので、テック系のスピード感と、バッテリーをコア技術にしたスマホを作るような感覚で自動車をどんどん作っていくという自動車とITが融合したような企業ではないかなと思います。
ーー販売網の整備は?
BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
目標としては2025年末までに全国の各都道府県にお客様にリーチしていただける販売網を合計で100を超える展開をしていくというのを目標としています。販売会社の先行きの計画の中でBYDの展開がほぼ決まっている部分を含めると現時点で約70カ所です。
ーー拠点があるというのは大事だ。販売会社でBYDブランドに興味を持ってくれるところは結構出てきそうか。
BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
今、ある意味勇気を振るってご参加いただいて開業していただいているところも基本的には既存の自動車販売をされていた販売会社がほとんどで、そこに新たにBYDというブランドを付け加えていただいたという形です。店舗は新しく用意していかなければいけないのですが、サービスに関してはもともとのビジネスで共通で使える施設等を持っているところが多いので、きちっとBYDも面倒を見てもらえるというのが基本になっています。
実際にお使いいただいている中で例えばディーラーが閉まっている時間帯、深夜や休日にトラブルが起こった時には、コールセンターに電話していただけると駆け付け充電のサービスなどを提供します。ボタン一つで消防や警察に通報してもらえるという事故の時の対応も全て車に標準で加わっていますので、24時間365日安心してお使いいただけると思います。
(BS-TBS『Bizスクエア』 2月18日放送より)