日本初ブランドへの期待を確信に変え、バッテリーEVの新たな需要を少しずつ

ーー1月31日からいよいよ日本での販売を開始した。

BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
現在当社のウェブサイトには33カ所でお客様の受付ができる開業準備室という形も含めた店舗網を公表しており、そこにたくさんの問い合わせをいただいています。多くのお客様に来て見て乗っていただいています。2週間ちょっとで100台を超える成約をいただきました。

日本の新車市場を見ると、国産車が圧倒的で輸入車は5.6%にすぎない。その中で輸入車はドイツ車、ヨーロッパ車というブランドが並んでいる。

ーーここに割って入るのは大変ではないか。

BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
我々の今度の商品は、バッテリーEVという今までの車とは少し違う新しいエネルギーの車です。各社ともいろいろなバッテリーEVを出してきていますが、それと一緒に市場を少しでも大きくしていこうということで、割って入るというよりは新たな需要を少しずつ作ってと考えています。

BYDの躍進を示す数字がある。2022年の世界の新車販売台数を見ると、自動車全体では1位がトヨタ、2位にフォルクスワーゲンが続いている。これをEVに限ってみると1位はBYD、2位にテスラと全く違う構図になった。

ーー22年の新車販売台数でBYDは世界一になっている。東福寺氏は以前フォルクスワーゲンジャパンのトップを務めていた。ドイツ車と中国車の売り方は違うと思うが、セールスポイントは何か。

BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
フォルクスワーゲンの場合はフォルクスワーゲンという確たるブランドがあったので、そのブランドを信頼して買ってくれるお客様がたくさんいました。それに対してBYDは中国ではすでにかなり大きな存在にはなっているのですが、日本のお客様にとっては初めてのブランドということで、実際に品物に触れて乗って、期待を確信に変えていただくような機会をできるだけ作っていって、乗ってみたら意外にいいよと言ってもらえるようなブランド作りを、時間がかかるかもしれませんがやっていきたいと思っています。

ーー電気自動車に対する日本の消費者の期待度に手応えを感じているか。

BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
2022年はトヨタ、スバルから「bZ4X」と「ソルテラ」の発表があって、日産、三菱の軽EVが発売されてということで、今までのバッテリーEVの市場自体がおよそ3倍に拡大した年でした。それだけ選択肢が増えると、関心を持っているお客様も比較検討してみようかということで店頭にお見えになったり、実際にウェブサイト等でいろいろ調べたりして、問い合わせの数もすごく増えているのだと思っています。

ーー日本のメーカーの電気自動車の供給が遅れていて、欲しいが欲しいものがないという感じがするが。

BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
我々が日本のお客様に提供しようとして最初に用意したのが「ATTO3」。小型のSUVなのですが、続いて5ドアのハッチバックが8月ぐらいにはお届けできると思います。年末にかけて4ドアセダンという異なるジャンルの、大きさも少しずつ違うバリエーションを選択肢としてご検討いただくことで、より幅の広いお客様の関心を取れていければなと考えています。

ーー同じレベルの日本車と比べると100万円ぐらい安い。440万円で補助金を入れると300万円台だ。そこは最大のポイントになってきそうだ。

BYDオートジャパン 東福寺厚樹社長:
車としての基本的なEVの性能自体が非常に高いということと、特にブレードバッテリーに象徴されるバッテリー技術ですね。安全性と性能と車全体のデザインなどいろいろな要素に加えて先進安全性ですとか、お客様とつながるコネクテッドの機能ですね、いろいろなアプリが使えるとか、そういった面白さも全部入れて440万円というのが、お客様から見て一番お買い得感があるパッケージングができたのではないかなと考えています。