みなさんは「アップサイクル」という言葉をご存じでしょうか。リサイクルは不用品を集めて、分解するなどして、原料に戻して資源に変えるという取り組みです。

一方で、アップサイクルは不用品をそのままの姿で利用して、付加価値のある製品に作りかえることなんです。いま、注目のアップサイクル、一体どんなものなのでしょうか?

伊東市に住む白井ゆみさん。仕事をしながら、環境問題についての活動に取り組んでいます。

<白井ゆみさん>
「いま現在は全部ゴミですね。ペットボトルは分けたらリサイクルできるもの。こちらはアップサイクルできそうなもの。これなんかは花瓶にできそうですね。これにいらない布とかを張り付けて引き出しにしたりとか。この辺は使えそうにないので、ゴミとしてカウントする。アイデアを出して、おうちの中のものをアップサイクルしてみたりとか、リサイクルできるものは行政のルールに従ってリサイクルすれば、本来自宅から出る本当のゴミは4分の1くらいになりますかね」

こちらは静岡県外の作家が作ったアップサイクルの作品です。

<白井ゆみさん>
「コーヒー豆が運ばれる時の袋。それを使ってエコたわしを作っています。海でひろった陶器でつくったアクセサリーです」

材料は、ほぼそのままに形を変えて新たな命が吹き込まれました。

<白井ゆみさん>
「裏にはどこで拾ったか書いてある。ゴミ問題を解決する一つでアップサイクルは注目されています」

こちらの工房絲(伊東市大原)では、「裂き織」という方法で、使わなくなった布を新しいものへと蘇らせています。曽根冨喜子さんは18年ほど前から、この裂き織の教室を開いています。

まずは、いらなくなった浴衣やシーツを細く裂いて、糸がわりにします。そして、絵柄を考えながら織っていきます。

<曽根冨喜子さん>
「江戸時代なんかは木綿の布がなかなか手に入らないので、着れなくなったのを裂いて田植えなんかの帯にしてますよね。再生して別の用途で使うことで最後まで使い切るということです。寝心地がいいですよ。夏、これを敷いて寝ると気持ちがいいですよ。洗いざらしになってるから、柔らかくなってるですよね」

捨てられる運命だった浴衣やシーツがバスマットや洋服に。これも昔から伝わるアップサイクルの手法です。

<曽根冨喜子さん>
「昔の人は知恵があったんだなって学ばなきゃいけないですよね」

「モノに愛着を持って最後まで大切に使う」。そんな意識を持つことがアップサイクルやゴミの減量につながると白井さんはいいます。

<白井ゆみさん>
「みなさん、おうちの中で今まで捨ててしまっていたものの中からアップサイクルできるものはたくさんあると思います。やってみてほしいです」