広島市安佐南区の伴中学校です。雪の積もった日も、丘の上にある学校に生徒たちは毎朝、歩いて登校してきます。

この学校では、以前は上着について「許可」も「禁止」もしていませんでした。しかし、去年末、生徒が悪気なく自然な様子で上着を着用してきたといいます。

伴中学校 大下武彦 校長
「わたしたちも戸惑ったりもしたが、伴の地域では冬の間、雨も雪も多く、非常に寒くなることや、遠方から通ってくる生徒も少なからずいるということ、昨今、きまりの見直しなど気運が高まっていることも踏まえて、学校の中でも検討することにいたしました」

上着について「あいまいになっていた部分をはっきりさせる必要がある」ということで、大下校長や生徒指導の教員が検討を始めたといいます。

去年12月からは「柄やロゴがなく、華美でないこと」を条件に上着の着用を認め、生徒だけではなく、保護者にも「生活だより」の中で通知をしたそうです。

伴中学校 大下武彦 校長
「寒さが厳しくなっていたので、急いでやったほうがいいだろうということで、『柔軟に早く』という思いでさせていただいた」

この学校では、これまでにも生徒や保護者からの声を受けて、女子生徒のズボンや冬限定のタイツ着用、夏服や冬服の移行期間の廃止といった校則の見直しを進めてきました。

一方、広島市内の別の中学校ではことし1月、生徒が上着を着て登校し、注意を受けたケースもあったといいます。

伴中学校 大下武彦 校長
「学校という場では一定のきまりというのは必要であって、校則には教育的な意義があるものだと思っている。ただ、学校を取り巻く社会環境や、子どもたちの状況は常に変化しているので、校則の内容については合理的なものになっているかは、絶えず積極的に見直しをしていく意識を持っておく必要はある」