種子島宇宙センターで17日午前に予定されていた日本の新たな主力ロケットH3初号機の打ち上げが、補助ロケットが着火せず中止されたトラブルで、JAXA=宇宙航空研究開発機構は午後2時から会見を開いています。
JAXA H3ロケットプロジェクトマネージャの岡田匡史氏は、打ち上げ中止の原因について、「システムが異常を検知し、補助ロケットに着火信号が送られなかったため、打ち上げをしなかった」と明らかにしました。
【JAXA H3ロケット 岡田匡史氏プロジェクトマネージャ会見要旨】
「カウントダウンも予定通り開始したが、その中で1段の機体システムが異常検知、着火信号を送出しなかったために、打ち上げしなかった。
ロケットエンジニア、三菱重工業がLCCという発射管制塔で原因究明作業にあたり、それと並行し、ロケットの燃料抜く作業をしている。」
--何が起きたか?
「第1段の上に搭載機器類があるが、その中で起きた。具体的には、まずメインエンジンのLE-9が立ち上がり、リフトオフの5秒ほどだが、正常に立ち上がれば、(今回着火できなかった)補助ロケットのSRB-3着火になる。LE-9が正常に立ち上がったあと、補助ロケットのSRB-3着火に至るまでに異常があったとみられる。」
「異常検知したのは、着火信号を送出する1段制御用機器。ケーブルなどでつながり、何らかの異常検知で着火信号を送らなかった。原因究明中で、これ以上のこと分かっていない。質疑応答へ。」
--打ち上げ中止になったが、率直な受け止めは?
「きょうの日を待っていたミッションのオーナーや見守ってくださっていた方が大勢いますので、申し訳ないと思っているし、悔しいです。」
岡田氏は涙ぐみながら受け止めを話しました。
--失敗ではないのか?
「失敗はいろんな定義あるが、カウントダウンシーケンスで止まったものは、我々は中止と捉えている。」
「エンジンがスタートして常に安全状態は第一優先。そういう意味では安全で止まった。非安全で止まってはない。そういう意味では正常に働いて安全に停止している。異常検知したあとの処理も正常。」
--今回はカウントダウン続いて飛ばなかった。システムが異常で止まった=意図しない中断なので、失敗ではないか?
「どうでしょう。こういった事象がロケットにあるが、失敗と言ったことはない。我々が非常識なのかもしれないが。」
「どういう解釈するかは受け止めた方の受け止めがあるので、そうでないですとも言い難い。ロケットは安全に止まる状態で設計しているので、その設計の中で止まっている。意図しない中で止まるのは大変だが、そこに照らし合わせると失敗とはいいがたい。」
--中止で、機体への影響は?
「衛星に影響なし。ロケットも異常部分を除けば損傷ない。」
--機体自体は?
「燃料を抜く。そのあと、機体を組み立て棟にうつし、きのう夕方時点に戻る。燃料抜き取りはきょうの午後いっぱいかけて行う。そのあと、機体移動できるよう、接続管など処置して、移動は夜8時か9時になる。
組み立て棟で見て、どういった現象か見られると思う。」
--LE-9エンジンは着火して正常に動いたと思うが、同じもの使える?
「LE-9エンジンはこういうことも想定して設計している。中止した時に、次に使える設計にしている。今のところデータに異常ないので、このまま継続して使えるとおもう。」
--3月10日までが打ち上げの予備期間だが?
「予備期間の中でどういったことやれるか考えるのが第一歩。全力でそこを目指す。まだ分析できていないが、年度内の打ち上げをめざしたい。」
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