2020年 河野防衛大臣に見る日本政府の“危機意識”

ホランキャスター:
2020年に仙台市で確認された気球について、当時の河野太郎防衛大臣は、2020年6月の会見で、

Q:
また日本に戻ってくる可能性はないか

河野太郎防衛大臣(当時):
気球に聞いてください

Q:
通りすぎた気球は

河野太郎防衛大臣(当時):
安全保障に影響はございません

などと述べていて、河野防衛大臣の当時のやり取りを振り返ってみても、やや危機感に欠ける印象で、ちょっと笑っているような場面もありました。本当に防衛省として正しい危機意識を持てていたのでしょうか?

政府関係者は「正直中国の気球のことはほとんど聞いたことがなかった。日本側は今回アメリカが撃墜して大慌てしている」などと話していて、今になって初めて、危機意識というものを正しく持つようになったのかもしれません。

政府は本当に政府は知らなかったのか?という点について、安全保障に詳しい明海大学・小谷哲男教授は「当時も中国から飛来したと疑っていたはずだが十分な証拠がなかった。今回のアメリカの情報で裏付けできたのでは」という見立てをしています。

この気球に関して、日本はアメリカとともに研究していくという方針なのですが、その方針を受けて、2月9日、中国外務省の毛寧(もうねい)報道官は“アメリカに追随して騒ぐべきではない”とのコメントを発表し、中国政府は日本を“けん制”してきています。

この件について、TBSスペシャルコメンテーターの星浩氏は「米中対立のような深刻な状況になることはいまのところないのでは。日中の間で話し合いを求めているのではないか」という分析をしています。