ブログで綴った「雨の王様」の真意は?
ーー「雨の王様」についての確認ですが、露軍がヘルソンを撤退してから、「国のトップは国を守る責任があり、それをしなければ雨の王様だ」とあなたはブログで綴ったと海外のメディアが伝えています。
その通りで、ブログで綴ったがインタビューではなかった。
私は全面的に大統領を支持しています。西側(メディア)は私のいろんな発言を引用しながら歪曲しています。(撤退に関しては)責任を負うべきだと私は言ったし、実際には(部分的)動員が始まりました。
国民の全面的な信頼を得た大統領は聖なる王様として、ちなみに「雨の王様」とはそういう意味だが、国民に全面的に信頼されているリーダーとしてみんなを救うステップに踏み切る必要があります。これが私が(SNSで)言いたかったことです。
ヘルソンからの撤退は悲劇であり、私たちの心に対する打撃でもあった。プーチンはしかるべき結論をしなければ悲劇で終わっていました。プーチンもそれを分かっていたが、私は圧倒的な多数の意見を述べただけです。
「雨の王様」とは聖なるリーダーです。国民に対して責任を負う聖なるリーダーです。「雨に対する責任」とは何かというと、宇宙や世界に対する責任です。雨の王様は特定の層の福祉、年金の支払い等の特定の分野に責任を負うのではなく、聖なる王様として宇宙の責任を負っています。今我々にとっての宇宙はウクライナです。私たちの将来、宇宙の将来は戦場で決まります。当然ながら(戦場で)全力を尽くすべきです。
ヘルソン(からの撤退)について自分の痛ましい気持ちをSNSで表したのに、その解釈は本来の意味とは全く異なっていました。

ロシアの大統領は欧米の大統領のようなものではなく、聖なる王様に近い存在です。日本の天皇(のようなものです)。首相は特定の領域に責任を負うが、彼(プーチン)は国民の未来に責任を負っています。私はこういうことを言いたかったのです。
その発言が誤解され、歪曲された状態で拡散され、どれが私のブログの引用でどれがそうでないのか分からなくなります。
「ロシアの行動を理解してない」ドゥーギン氏から日本はどうみえるのか
ーー確認ですが、特別軍事作戦のプーチンの目的はノヴォロシアと呼ばれる新たな領土の獲得ではなく、多極世界の構築だという理解で良いですか?
その通りです。プーチンは多極世界、世界秩序の再構築、つまり一極集中の世界から多極世界への移行についてよく発言しています。
次のことに注目したいと思います。多極世界の構築とその多極世界の参加者としての地位を獲得したい中国は(特別軍事作戦の)意味をしっかり理解しています。親欧米派であるインドもそれをよく理解しています。インドは中国ほどロシアを支持しないが、多極世界の必要性を理解しています。日本はまったく受動的であるのは驚きです。
日本は偉大な文明であり、偉大な国家です。「文明の衝突」の中に日本は独立した一極でした。にもかかわらず、日本では多極世界の考えは全く存在しません。日本の知識人でさえロシアの行動を理解していません。
この戦争の目的は多極世界であるとプーチンやラブロフを含め多くの政治家が言っているのに。日本は(多極世界)の一極になれるチャンスがあります。チャンスがあるのはロシアだけではない。中国、インド、イスラム諸国、アフリカ、南米諸国はそれをよく理解しています。
欧州の野党も分かっています。米孤高のトランプの野党も分かっているのに、日本は分かっていません。ハンティントンは日本のことを「独立した文明」と呼んでいます。
独立した文明であるならば、このユニークなチャンスを活用してください。中国との関係において、同盟国である欧米諸国に従うだけでなく、自分のポテンシャルを発揮してください。しかし日本は全く動かないのは不思議です。
ハンティントンは日本を「独立した文明」として位置付けたのは時期尚早だったのかもしれません。これは一極集中世界と多極世界の戦いであるのをみんなが理解し、自分なりに適応し始めているが、日本は自分のことについて自分の頭で考えてみてはどうでしょうか?
昔、ある日本人の哲学者から聞いた話だが、日本人は自分のことを神だと思っています。その神に勝った者、第二次世界大戦の米国のことですが、彼らはさらに強い神です。このようなアルカイックな思考パターンから脱却しないといけません。
多極世界では米国も日本もロシアも中国も神様です。時には対立も起こるが、自分の主権を優先すべきです。主権が神です。中国、インドは既にそれを実現しました。中国を止めろ、北朝鮮を止めろというのではなく、日本は目覚めるべきです。
そうなったら「多極世界の理論」という私の書籍の日本語訳も出版されるでしょう。(前編、中編を読む)