意外な相棒と旅を続ける男性がいます。その相棒とは1頭のロバ。なぜ一緒に旅をするのか。北海道南部の日本海沿いのマチで密着しました。

《ロバと旅する元新聞記者…相棒のクサツネと新たな旅へ》

『どこかへ旅に出たい…』26歳のとき、その衝動に従ってみたのです。

高田晃太郎さん「行こ!行くぞ」

元新聞記者、高田晃太郎さん、35歳。相棒はオスのロバ「クサツネ」です。栃木から鹿児島へ…。そして鹿児島から北海道へ続く、延べ数千キロの旅です。

高田晃太郎さん(元新聞記者)
「素朴にロバがいる生活っていいなっていうことを、少しずつ広めていけたらいいなと…」

 今年5月にたどり着いた先は、北海道南部の八雲町熊石地区。高田さんは、ある作業を進めていました。釜を満たすのは日本海の海水。これで天然の塩を作るのです。そして、その塩を携えて、まもなくクサツネと共に、行商の旅に出ます。

日本海沿いの港町、八雲町熊石地区。なぜ、ここで塩を作るのでしょうか。

《日本海深くの海水を釜を煮立てて…クサツネと塩作り》

 熊石地区には、海深くから「海洋深層水」を汲み上げる施設があります。この海水で作ると、ミネラル分が豊かで、塩にコクが生まれるといいます。

高田晃太郎さん(元新聞記者)
「海水は300キロちょい。リヤカーとあわせた重量は330キロくらいです」

(Q.全然ものともしないですか?)
「まぁ、見ててください」

塩作りの作業小屋までは片道3キロほど。リヤカーを引くクサツネの足取りは、軽やかです。

その道すがらに立ち寄った先が、地元の豆腐店―。

高田晃太郎さん
「こんにちは…おからってありますか?」

おからは、クサツネの大好物。ひと仕事を終えたご褒美です。

作業小屋に戻ると、クサツネから高田さんにバトンタッチ。海洋深層水で釜を満たし、これを3日間、火にかけます。

高田晃太郎さん(元新聞記者)
「最初に硫酸カリシウムが結晶化し、それを取り除くうちに塩が結晶化します。どんどん煮詰めるまで、見た目はほとんど変わらないんです」