雨が降りしきる真冬の早朝、助けを求める声が届きました。
深さ2メートルの用水路に転落した高齢男性を見事な連携プレーで救助したとして、14日、島根県浜田市の親子に警察から感謝状が贈られました。


カメラマン
「この辺で仰向けになっていた?」
救助した男性
「仰向けになっていた。足がはまって…」

救助の時の様子をこのように話すのは、浜田市三隅町の野尻弘一さん67歳と篤志さん26歳の親子です。

1月15日の早朝、午前5時ごろ。
自宅で寝ていた篤志さんは、家の外から「助けて」という声が聞こえるのに気づきました。

篤志さんは父・弘一さんを起こすとともに110番通報し、自宅周辺を探し回ったところ、深さ2メートルの用水路で、額から血を流し仰向けで体の半分が泥水に浸かった状態で倒れている高齢男性を発見。
その後119番通報しました。

野尻篤志さん
「助けてー、助けてーという声が聞こえた。どういう状況か飲み込めなくて、外に出てみた。暗かったので懐中電灯を持って探したところ、おじいさんが川の中に落ちているのを発見した」

そこから、弘一さんは用水路に飛び降り、男性の体を支え声をかけ続けました。そして、篤志さんが警察官と救急隊を現場まで誘導しました。

野尻弘一さん
「寒かったです。本人が一番寒かったと思いますが。もうすぐ救急車が来る、大丈夫ですよと声をかけた。それまで助けてと叫んでいたが、(体を支えてからは)言葉は出なくなって、ちょっと安心されたと思う」

救助されたのは90代の男性で、胸の骨折などがありましたが入院治療を受け、すでに退院したということです。

見事な連携プレーで人命を救った野尻さん親子。
14日、浜田警察署で感謝状が贈られました。

野尻弘一さん
「外で声がしたら出てみる必要性があると思いました」

浜田警察署は「機転を利かした2人の行動で早期発見につながった」として、日ごろ何か異変を感じたら、すぐ警察などに連絡して欲しいとしています。