偵察目的とみられる気球をめぐり、緊張が高まる中、米中の政府高官の会談に向けた動きが出てきています。一方、撃墜された中国の気球から情報収集活動に使われていたとみられる電子部品が回収されたと報じられました。

これは、アメリカ国防総省が公開した撃墜後の中国の気球の新たな写真です。

ロイター通信によりますと、これまでの作業で気球が吊り下げていた物体の大部分が見つかり、情報収集活動に使われていたとみられる重要なセンサーや電子部品も回収したということです。

一方、中国側は去年以降、アメリカ側の気球が「十数回も違法に中国の領空を飛行した」と主張していますが、アメリカNSC=国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は、これを否定。また、バイデン大統領は国家の安全保障を脅かす未確認飛行物体の研究を進めるよう、関係省庁を横断したチームに指示したと明らかにしています。

こうした中、ロイター通信は複数のアメリカ政府高官の話として、ブリンケン国務長官が17日からドイツで開かれるミュンヘン安全保障会議にあわせ、中国の外交トップ・王毅共産党政治局員との会談を検討していると報じました。

これについて、シャーマン国務副長官は…

アメリカ シャーマン国務副長官
「我々に利益をもたらし、条件が整うのであれば、私たちは対話を行う用意があります」

中国側は、王毅氏がこの会議で「重大な国際問題について、中国の立場を紹介する」としています。