今回の無痛MRI乳がん検診と、これまでのマンモグラフィと、2つの方法で撮影した乳房画像の一例を見せていただきました。

【五泉中央病院放射線科 小林誠司科長】
「マンモグラフィーだと、乳腺が映る真っ白な中にがんが白く写るので、白い中の白、雪山の中でウサギを探すような感じなんですけれど、無痛MRIでは、がんだけが黒く写る」
日本人に多い高濃度乳腺の人でも、がんが見つけやすいということです。
この検査方法を開発したのは、東海大学工学部医工学科の高原太郎教授。多くの女性が胸に違和感を感じたとしても、なかなか検診につながらない現状に、もどかしさを感じていたそうです。

【東海大学工学部医工学科 高原太郎教授】
「乳腺外科に行って『痛い検査されるのが嫌だから』と躊躇(ちゅうちょ)する。それが3か月くらいになると、明らかに腫瘍が増大してしまったりするんです。痛くない、見られない、があるならとにかく行ってみようという、ハードルを下げることがこの検診の一番重要な社会的役目だと思っています」

マンモグラフィ検査には行政からの費用補助があり、無痛MRI検査にはまだありませんが、高原教授は「そうした補助制度も活用しつつ、1年に1度は検診を受けてほしい」とメッセージを送ってくれました。
【東海大学工学部医工学科 高原太郎教授】
「重要なのは、受けないことで2倍のリスクになることです。そういうことを避けるために必ず受けてください。見られたくない、痛いからできないという人には、無痛MRI乳がん検診をお受けになっていただければ」

新しい検診方法という受け皿で、一人でも多くの命が救われることが期待されます。