1月26日、山口県長門市に米粉を使ったラザニア専門店がオープンしました。店を開いたのは、永塚真也さん(35)です。永塚さんは長門市の地域おこし協力隊を1月13日に退任したばかり。協力隊の活動を通して知ったことが、店のテーマにつながっています。

関谷名加アナウンサー
「JR仙崎駅からおよそ1キロにわたって延びるこちらの通りは、童謡詩人・金子みすゞの生誕地にちなんで『みすゞ通り』と言います。どこか懐かしさを感じさせるこの通りに、新しいお店がオープンしようとしています。それがこちら『コメラザ』です」
いつか自分の店をー新天地で叶える夢
オープンを1週間後にひかえ、永塚さんは準備に追われていました。

永塚真也さん
「自分でお店をやりたいっていうのが、もう長年の思いだったので。やっと実現するなっていうところですね」
千葉県出身の永塚さん。イタリアンなど、料理人として東京で10年以上経験を積んで独立を考えた頃、興味を持ったのが「地方起業」です。そんな時に、長門市地域おこし協力隊の「商品開発」という募集を見つけ、3年前、32歳の時に長門市にIターン。以来、特産品を使った商品開発に取り組んできました。
協力隊として長門へ、地元食材を特産品に


油谷地区の棚田で作られた米を原料にしたイタリアのクッキー「棚田米ビスコッティ」に、地元のトマトや長州どりを使ったパスタソース。この開発過程で、とてもお世話になった人がいます。
農家と出会って知った食の魅力と課題

永塚さん「こんにちはー」
この日、永塚さんは長門市三隅地区にある「どんぐり農場」の代表、田辺英雄さんを訪ねました。田辺さんとは、永塚さんが商品開発をしていた農業の6次産業化を支援する施設で出会いました。
永塚さん「地域おこし協力隊の時は、本当に田辺さんいなかったら、スパゲッティのソースは開発できなかったんじゃないかと思います」
長門市にやってきたばかりで農家の知り合いがいない中、野菜を提供してもらうなど助けてもらいました。
永塚さん「これが田辺さんの野菜だって思って食べると、倍おいしく感じますよね。こだわって作ってるんだなっていうのがわかるし」
顔が見える生産者が作る圧倒的な鮮度の食材。世界中からおいしいものが集まる東京でも味わえない「おいしさ」を長門で初めて感じました。
永塚さん「長門に来てよかったですね。まぁあの…少なくとも。最近、結婚したんですよね」
お相手は協力隊時代に知り合った長門市出身の女性です。

田辺さん「だからもうこれは永久にこっち側に住んでくれるだろうって。長門の一員になったわけですよ、本当の意味で。よかったですよね、だからうれしいですよ」
規格外や供給過剰…廃棄野菜を活用へ
田辺さんとの交流は、生産の現場について知るきっかけにもなりました。規格外や実りすぎたことによる供給過剰で捨てられる野菜が多くあるという現実です。

田辺さん「本当に残念で、もったいないなって思いますよ。そこはまたSDGsの世界というか、そういう風に考え方を変えて、どこかで安く、わずかでもいいから、消費していただいたらなと思っています」
捨てられる食材をどうにかしたいと、たどりついた答えは?