長門の旬の食材をラザニアに!

永塚さん「規格外の野菜だったり未利用魚だったり、とにかく長門の旬の食材を、ラザニアだったら何でも間に挟んでいくことができるんじゃないかなと思ったんです」

永塚さんが出した答えが、小麦粉でなく、米粉を使った「ラザニア」でした。店の名前も看板商品の名前も「コメ」の「ラザニア」で「コメラザ」に決めました。オープン直前、試作も大詰めです。

グルテンフリーで食の選択肢を増やしたい

永塚さん「コメラザはグルテンフリーでやっているので、このホワイトソースに関しては、長門市産の米粉で作ってます」

ラザニアシートは、米とでんぷんだけで作られたものを福島の工場から取り寄せています。

永塚さん「全然知らなかったんですけど、小麦アレルギーはやっぱり食の選択肢をずいぶん狭めてしまうんだなっていうのは改めて、棚田米ビスコッティを作ってわかりました」

「ビスコッティを初めて食べられました」
インスタグラムに寄せられた感謝のメッセージです。これも長門で知ったことです。

永塚さん「そういう喜んでもらえるっていうのは、すごいいいことだなと思って。原動力になってますね」

「喜んでもらいたい」。その思いは店の内装にも表れています。

子ども料理教室で楽しい空間に

永塚さん「子ども料理教室をやりたいなと思っていて、カウンターをけっこうフラットにして、わりと大きめに作ってるんです。お母さんもうれしいし、子どもも楽しいし、僕としても先につながってるような気がして、すごくやってみたいなと思ってます」

協力隊の先輩にも支えられて

男性がコーヒーの粉を届けに来ました。長門市地域おこし協力隊の第1号、小坂保成さんです。退任後は、俵山で「COFFEE&ROASTER YAMA」を営んでいて、OBとして永塚さんの面接を担当しました。

COFFEE&ROASTER YAMA代表・小坂保成さん
「自分としてはやっぱり始めから関わってたんで、いい奴だなと思ってて」

小坂さんの店にも通っていたという永塚さん。納品に来てもらったついでに、コーヒーの入れ方を相談です。

永塚さん「なんかこう、ヤマコーヒーさんで実際飲むのと違う味になっちゃうんですよ」

小坂さん「6杯入れて。6杯入れて、この量」
永塚さん「OKです、なんか、よくなりました」

いろいろなことが不安になるオープン直前。1つ、心配事が解消されました。

小坂さん「長門にとどまってこうやってお店を開いてくれるっていうのは、やっぱり同士みたいな感じもありますよね、がんばってもらいたいですよね」
永塚さん「ありがとうございます」

“仙崎の銀座通り”活性化に地元も期待

永塚さんを支える人はほかにも…。店の大家、髙田光枝さんです。

髙田光枝さん(78)
「ええね~、えぇ青年やね。亡き母が呼んでくれたと思うちょる。亡き母の遺言で、この店を利用して仙崎の町おこし、活性化に役立ててくれって」

髙田さんの母・フジ子さんは、4年前に亡くなるまでここで商店を営んでいました。

髙田さん「昔は人がざっざっざっざっと。ここが要するに仙崎の銀座通り」

かつて、多くの店が建ち並んでいたという今の「みすゞ通り」。今は半分が空き店舗だといいます。自宅もこの通りの近くにある永塚さん。もちろん、まちにも愛着があります。

永塚さん「すごく皆さん温かく迎え入れてくださって。だからもう地域おこし協力隊が終わった後は、ここでお店やろうって決めました」