瀬戸内海の幸といえば「カキ」 デジタル技術を活用した養殖に迫る

このカキについて、身入りのいいカキを安定的に生産するため、デジタル技術を導入する取り組みが進められています。

全国一の生産量を誇る広島のカキです。県は、昨年度からカキ養殖にデジタル技術を導入する事業を、県内の3つの地区で始めています。

その1つ、廿日市市の地御前漁協では青年部のメンバーが取り組んでいます。沖合に浮かぶカキ筏の横に小さな筏がありました。

地御前漁協 青年部 増木進一さん
「水温と塩分濃度と、クロロフィルといって海の中のエサを測る機械がついているセンサーですね」

海の中をのぞくと、センサーが取り付けてあります。水温・塩分濃度・エサの量を測る3つのセンサーは、それぞれ水深1m・5m・10mの地点に取り付けられています。

センサーの情報はタブレットやスマートフォンなどで、いつでもどこでも確認することができます。水温や塩分濃度・エサの量の変化がリアルタイムで反映されます。

地御前漁協 青年部 増木進一さん
「海の中が手元で分かるというのは、どれをとってもありがたい」

特にこれまで把握できなかった海中のエサの量がデーターとして分かることは大きなメリットです。よりエサが多い時期が分かることで、効率よく身入りを良くすることができます。

増木さんは、これから10年・20年先とこうしたデーターの活用に期待を寄せています。

地御前漁協 青年部 増木進一さん
「今までは海の中がどうなっているかのデーターがなかった。今の時代ならではで携帯端末でリアルタイムで見ることができる。今から先、もっともっとカキ養殖に活用できていければ」

県は、来年度以降も業者の人たちにとって使いやすい方法を探るとしています。