昨季限りで現役を引退した杉谷拳士さん(31)がTBS WBC応援団に就任。オリックスキャンプを訪問し、侍ジャパンに選出された山本由伸投手(24)、宮城大弥投手(21)、宇田川優希投手(24)を取材した。
昨季まで選手として日本ハムのキャンプに参加していた杉谷さんは「選手の時はやっぱ(キャンプは)きつかったですよ。実戦で成績残さないとレギュラーつかめないっていう、毎日気持ちの面で厳しいところありましたね。純粋に野球ファンとして来させてもらってるのが楽しくてしょうがない」と、初めての他球団キャンプに目を輝かせた。
今回取材した3投手とはいずれも現役時代に対戦経験があるといい、オリックスの絶対的エース、山本投手については「全ての球でカウント取れますし全ての球がフィニッシュ球にできるくらいほんとに非の打ち所がないピッチャー」とべた褒め。対面し、がっちり握手を交わすと「僕なんかに手袋を取って挨拶をしてくれて・・・」。その振る舞いに感動の様子だった。
宮城の「優しそうな顔に騙されないで!」
「あんなに曲がるスライダーを見たことないぐらい、投げた瞬間に曲がっているというのが第一印象」と杉谷さんが語ったのは宮城投手について。「おまけにあの優しそうな顔して投げる真っ直ぐがビタっとくるんですよ。スライダーとかチェンジアップもそうですけど、ものすごいコントロールされてすごいピッチャーだなと思って見ていました」。現役時代、その投球に、舌を巻いていたという。
杉谷さんの取材に対し「国の代表として戦うのでしっかり責任と自覚を持って、野球をやっているみなさんだけではなくて国民を盛り上げられるように頑張ってきたいなと思います」と話した宮城投手。対戦してみたい選手には、大谷翔平投手(28、エンゼルス)の同僚マイク・トラウト選手(31)を挙げ「すごいスイングしますし、足も速いので。対戦することがあったら一生懸命腕振って頑張ってきたいと思います」。21歳の左腕が、アメリカの主将斬りを誓った。
育成から侍ジャパン入りの右腕
育成出身で昨年7月に支配下を勝ち取り、侍ジャパン入りを果たした宇田川投手は栗山英樹監督(61)からの連絡を受け「嬉しいというのはあったんですけど、最初はビックリという気持ちのほうが大きかった」という。杉谷さんも「打席の中でほんとにバズーカがとんでくるんですよ」と表現するように、最速159km/hの真っ直ぐとフォークが武器だ。
侍ジャパンでは「ダルビッシュ有投手(36、パドレス)に食事面とか日常生活の調整方法とか、技術面以外でどういうこと意識をしているかいろいろ聞きたいなと思います」と、先輩から多くを学ぶつもりだ。「トップレベルの選手が集まるなかで、力負けせずに自分の実力を発揮して、勝利に貢献できるように頑張りたいです」と意気込みを語り、杉谷さんも「WBC応援団として全力で応援させていただきます」と声を掛けた。