飲酒運転の車にひき逃げされ死亡…謝罪や賠償なく母親は『再提訴』

賠償金が支払われず苦しむ遺族は森田さんだけではありません。大分県国東市の佐藤悦子さん(71)。

2003年、次男・隆陸さんが鹿児島県の奄美大島で飲酒運転をしていた当時19歳の少年の車にひき逃げされ死亡しました。少年には懲役3年の実刑判決が下されましたが、現実を受け入れることはできませんでした。

佐藤悦子さん(71)

(佐藤悦子さん)「加害者に対しては憎しみしかなかった。どうして逃げた、どうして息子を助けなかったんだって。この男の手によって息子がいなくなったっていうその現実を自分の中で消化していくのが難しかった」

「自分で犯したことに責任をもつべきだ」として佐藤さんも損害賠償を申し立て約5000万円の支払い命令が認められました。

しかし、森田さんと同様に賠償金は支払われていません。損害賠償を命じる判決は10年で時効を迎えるため、佐藤さんは2015年に再び提訴し時効を延長させました。

(佐藤悦子さん)「被害者は20年も息子を待ち続けているのに帰ってこない現実と日々向き合わなければならない、あまりにも違いすぎる。私が再提訴しなければ責任を逃れてしまう」