2022年12月の新潟水俣病認定審査会で審査された21人について、県と新潟市は19人を棄却・2人を保留とし、新たに認定した人はいなかったと発表しました。
新潟水俣病の被害者を支える「阿賀野患者会」の酢山省三事務局長のもとに3日、会に所属する70代の男性からFAXが届きました。認定審査の結果です。

【記者】「Qどうでしたか?」
【新潟水俣病阿賀野患者会 酢山省三事務局長】「棄却ですね」

通知書には「認定はしません」と書かれていました。

認定審査会は医師や弁護士らが国の基準に基づいて水俣病の患者かどうかを判断します。

水銀を摂取したという証明と家族の中に認定患者と漁業組合員がいること、さらに新潟水俣病の症状が複数あることが条件です。

結果を見た酢山さんは、すぐに男性に連絡します。
【新潟水俣病阿賀野患者会 酢山省三事務局長】「お父さんは漁業組合員ですよね、組合長もやったわけですよね、ただ家族に認定患者はいないと…」

男性は2回目の申請でしたが、水銀の暴露と症状が認められませんでした。
再申請には、病院での検診が必要になります。

【新潟水俣病阿賀野患者会 酢山省三事務局長】「(検診のために)大学行くの大変だからね。そうだよね、見通しは厳しいからね。じゃあ、裁判で頑張るということでいいかね?じゃあ再申請はしないと…」


去年12月の第96回認定審査会では21人が審査され、答申を受けた県と新潟市は19人を棄却、2人を保留とし、新たに認定した人はいませんでした。

【新潟水俣病阿賀野患者会 酢山省三事務局長】「怒りというか、この制度は何なんだと。(認定申請者は)裁判の原告でもありますから、裁判での、司法での水俣病被害者として認めさせ、救済を求めていくと」


県内では2020年以降、新たに認定された人はいません。
花角知事は今回の認定処分について「難しい判断をしなければならない事例が増えてきている中で、一人一人の事情に配慮しながら丁寧な審査が行われたものと受け止めている」とコメントしています。
