こちらの写真は薩摩川内市のせんだい宇宙館が天体望遠鏡で撮影したものです。撮影した職員は、「物体は風船と見られ、高度3000メートルから5000メートルの場所で確認され、大きさは直径10メートルあまりだった」といいます。


天体望遠鏡で撮影した画像では、風船の下にぶら下がっている機器のようなものもはっきり見え、アメリカ本土で確認された中国の「偵察気球」に似ているように見えます。


■鹿児島県を横断か 


目撃情報などをあわせると風船は、川内原発がある薩摩川内市上空から東に流れていったとみられています。

■気象台にも自衛隊にも航空局にも韓国気象庁にも確認してみたら


この時確認された飛行物体について、鹿児島地方気象台では「気象台の観測気球ではない」。甑島にある航空自衛隊下甑島分屯基地にも確認しましたが、「観測気球は過去にも飛ばしたことはない」、陸上自衛隊川内駐屯地も「自衛隊のものではない」との回答でした。韓国の気象当局も「韓国の観測気球ではない」と回答しました。



観測気球やドローンなどを上げる場合、空港近くや人混みなどのエリアや条件によっては許可申請を行うことが航空法で定められていますが、大阪航空局によりますとこの時間帯に該当するような申請は行われていませんでした。



視聴者からは「アドバルーンではないか?」との情報も寄せられました。そこで鹿児島市のアドバルーン業者に写真を見てもらいましたが…。

(アドバルーン業者)「うちのじゃないかとおもって調べたら違った(笑)。飛ばされたアドバルーンだったらワイヤーはこんなに均一に垂れ下がらない。斜めのワイヤーはブレ防止ではないか。だから観測気球だと思う。むかし韓国のものが川内に落ちてきたことがある」

今回アメリカが撃墜した中国の気球について、アメリカは「偵察用」と断定していて、落下した気球を回収して分析を進めるものとみられます。

鹿児島上空を横切った謎の物体の正体は、中国の偵察気球なのか、観測気球かアドバルーンか、あるいはそれ以外のものなのか…。謎は膨らむばかりです。