世界文化遺産登録に向けて… 政府「正式版推薦書」を“再提出”

【永岡桂子文科大臣】「文化遺産としての素晴らしい価値が評価されますように、国際社会に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております」

政府は1月19日、「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録を目指し、正式版の推薦書をユネスコに再提出しました。2022年2月に書類の不備を指摘されてから、およそ1年…再び、審査のスタートラインに立ちました。

審査が順調に進んだ場合、この秋に行われるのがユネスコの諮問機関「イコモス」による現地調査です。「イコモス」は文化財の保全や修復、再生などを行うNGOで推薦書の記載内容や遺産の価値、保存状態などを調べます。どんな調査になるのでしょうか…。

鍵を握る「イコモス」の調査とは

2010年、岩手県平泉町で2日間にわたって行われたイコモスの現地調査の様子です。この時は、中国のイコモス国内委員会の委員で、建築家の専門家が調査に訪れました。報道陣に公開されたのは6分間のみ。会話が聞こえない場所からという制限付きでした。

【リポート】「普段は水が張られていないのですが、かつての毛越寺の浄土庭園と同じような光景だったことをイメージしてもらうために、こうして水を張りました」

イコモスの専門的評価は世界遺産登録の可否に大きな影響を与えます。中尊寺の調査では、貴重な史跡の保存管理体制をアピールするため、火災が発生した際の消火のデモンストレーションも行われました。

実は平泉がイコモスの調査を受けるのは2回目。1度目の「登録延期」の勧告後に推薦書を再提出して、2011年に世界遺産登録を果たしたのです。