歓迎すべき「時給アップ」がもたらした労働時間の減少
本来歓迎すべき「時給アップ」によって、配偶者のいるパートタイマーの就労時間は年々短くなっているということも示されています。厚生労働省の調査によるとパートタイム労働者の一か月あたりの労働時間は1993年には月間98.7時間、2021年には78.8時間でした。「年収の壁」に収めるためなのか、月間で20時間も短くなっていました。
野村総合研究所が昨年9月に全国20~69歳の、夫がいるパートタイマーの女性を対象に行った調査によると、61.9%が年収を一定金額に抑えるために「調整している」と回答しています。また、「年収の壁」がなくなり、一定の年収額を超えても手取りが減らないのであれば年収が多くなるよう働きたいと思う割合は「とてもそう思う」と「まあそう思う」を合わせると78.8%にも上りました。8割近い数字です。
野村総研の試算によれば、こうした意欲があるパートタイム労働者が働く時間を月間96時間にすると、年収は1.8倍に増え、市場の労働力不足も解消されるとしています。














