クリオネの食欲を掻き立てる“唯一”の生き物とは?
クリオネはもともと餌をあまり食べなくても生きていけるのではないかと考えられています。ただ、クリオネの食欲を掻き立てる唯一の生き物が、ミジンウキマイマイという小さな巻貝です。ミジンウキマイマイは、北極海などでは目視でもその群れを確認できるほどかなりたくさんいるようですが、オホーツク海ではそう頻繁に巡り合えるわけではない珍しい巻貝なのです。
ミジンウキマイマイが近くにいると、クリオネは写真のように頭部から6本の触手「バッカルコーン」を伸ばし、餌に食らいつきます。その食事シーンの豹変ぶりは、多くの人を驚かせています。

クリオネのとりこになってからというもの、私は北海道・網走の図書館まで行って過去の新聞記事を読んだり、関連資料や論文を探すなど探求心が止まりませんでした。先日は、世界的にも数少ないクリオネ関連の論文を執筆されている先生方にお話を伺う機会をもつことができましたが、私のクリオネへの情熱の強さは先生方にも驚かれてしまいました。
無いのならば…自分で作る!マニアがクリエーターになるまで
水族館や、北海道のお土産売り場などでは、ついついクリオネ関連グッズを探してしまいます。ただ、自分の好みのデザインになかなか巡りあうことができない日々が続きました。そこで、無いのならば自分で作ってみよう、と思い立ったのです。
心に火が付いた私は、本当に火を付けました。酸素バーナーを使ってガラスをとかし、クリオネを作り始めたのです。クリオネを創作するための素材は、透明感が重要です。相性がいいのはガラスだ!と思ったので、すぐにガラス教室に通い始めました。もちろん初心者なので、自分の理想のクリオネの姿を創るためには相当な時間がかかりました。それはもう、数々の失敗作アリ。不格好なものなども含めると、ガラス細工だけで作品数はとうに100を超えているでしょう…


ガラス以外にも、プラバンやレジン(樹脂)、ビーズ、金具など、様々な素材を使って創作を試みました。素材をかえたり異素材を組み合わせたりし、納得のいく作品になるために試行錯誤の連続です。総じて、数百点をも超えるクリオネを作ってきました。こうしてクリオネマニアが、クリオネクリエーターになっていったのです。クリオネ作品の一部は、北海道・紋別にある北海道立オホーツク流氷科学センターに展示して頂いています。














