私が“クリオネクリエーター”を名乗るまで
私は気象予報士・防災士でもありますが、クリオネクリエーターとしても活動しています。クリオネクリエーターは「クリオネを専門にクリオネの作品を創る人」を意味し、私個人で名乗り始めました。
私がクリオネのとりこになったのは10年ほど前のこと。
きっかけは、知り合いの方が北海道の漁師さんから譲り受けたクリオネを、さらに私が譲り受けたことです。それまでは、水族館でチラッと見たことがある程度の存在だったクリオネ。あまり深入りはしていませんでした。しかし、目の前でじっくりとクリオネを観察するようになってから、その浮遊の仕方や形状まですべてが謎めいて見えて、とても気になる存在になりました。

『流氷の天使』クリオネは夏にもいる!?
ハダカカメガイ。
これを聞いてピンとくる方はすでに結構なクリオネマニアかもしれません。これは、学問上のクリオネの和名です。クリオネは貝の仲間になります。赤ちゃんの時は貝殻をもっていますが、すぐに貝殻を捨ててハダカのようになるのです。海流に逆らってまで自らの泳ぎで移動することはできず、ただただ流される浮遊性という意味ではプランクトンでもあります。

『流氷の天使』という通称を聞いたことがある方は多いかもしれません。しかし、意外と知られていませんが、クリオネは流氷にくっついてやってくるわけではないのです。クリオネの分布を決めるのは、流氷の分布というよりも主に海流と考えられています。実際に、オホーツク海の沖合では、流氷の無い夏でもクリオネの存在が確認されています。オホーツク海の沿岸においては、流氷の接近時期とクリオネの出現時期が重なっているため、『流氷の天使』と呼ばれているのでしょう。