■農薬のヒトへの安全性って…

VTRで紹介できなかったのですが、農薬規制の仕組みを1枚のCGでまとめました。


ある農薬を登録する際、まずは農薬メーカーが様々な動物実験を行います。ここではA試験は発がん性をチェックする試験、B試験は発達神経毒性をチェックする試験としましょう。

発達神経毒性とは、その農薬が、母体を通して子どもの神経(特に脳)の発達に与える影響のことです。例えば、妊娠中の母親が飲酒すると、アルコールが胎児の神経の発達を障害して、子どもの行動異常に繋がります。こうした発達神経毒性があるかどうかをチェックする試験は、2019年4月になって、農薬登録の際、試験結果の提出が(必須ではありませんが)求められるようになりました。

上記のB試験では、体重1㎏あたり1日の摂取量が1㎎なら、有害な影響が認められなかった、ということです。こうして多岐にわたる毒性試験を行った上での最低値が「無毒性量」となります。無毒性量とは、「この量以下ならば実験動物での毒性が出ない」と判断された量です。

さて、今度はヒトです。安全のため、動物実験で算出された「無毒性量」を、ヒトとの種差を考慮して10分の1に。ヒトの個体差(感受性の違い)を考慮して、さらに10分の1に小さくします。

つまり無毒性量を100分の1に小さくすれば、ヒトに当てはめても大丈夫だろう…という考え方です。無毒性量を100分の1にした数値を「1日摂取許容量」と言い、内閣府の食品安全委員会が設定します。

「一生の間、毎日、体に取り込んでも健康に影響が出ないとみなせる量」のことで、この数値をベースに、厚生労働省が食品ごとに「どれだけ農薬が含まれても許容できるか」を決めます。これが「残留農薬基準」です。