自民党「足並みがそろっていない」指摘も

ホランキャスター:
そして先ほどの冒頭のやり取りに至るということなのですが、なぜ、あのやり取りに至ったのか?
1月25日、参院本会議の代表質問で、自民党の茂木敏充幹事長は「児童手当については『すべての子どもの育ちを支える』という観点から所得制限を撤廃するべき」と発言しました。10年ほど前に、自民党が所得制限を導入するということだったのに、今になって所得制限を撤廃するなんてどういうことだ、ということなのだと思います。

そして、岸田総理は1月30日、衆院予算委で、茂木幹事長の発言について「いま児童手当を巡って、さまざまな議論が行われている。その中で一つの意見であると認識している」と話しました。
しかし野党からは、立憲民主党の岡田幹事長が「与党第一党の幹事長と総理の意見が食い違っている」と発言するなど、“足並みがそろっていない”というような指摘が相次いでいるという状況です。

「児童手当」に対する自民党の思惑とは!?

井上貴博キャスター:
まさに巨大なブーメランが返ってきたという形ですが。当時、自民党が野党時代に「バラマキ」だと批判していたことを、今どう向き合うのか。そこをまずしっかりと説明しないと、節操がないと言われそうです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
当時の「子ども手当」騒動は私も取材していましたけれども、明らかに時代の流れは『社会全体で育てよう』『所得制限なしで手当を出す』という流れだったのですが、自民党にはやっぱり家族中心だという発想がまだあって。自民党は若干時代にはついていけなかったという感じでした。
しかし、時代の流れはどんどん進み、ようやく自民党もキャッチアップしてきたということだと思います。

その中で一つは、今までの経過を総括する、検証するということ。茂木幹事長が言ってるのも一つのオプションですが、実は裏返すと、児童手当の財源はどうするのだということには全く触れていません。
統一地方選挙が春にあるので、それに向けて、ちゃんと『所得制限なしを検討していますよ』というのをアピールするためなのですが、そういう点ではやや目先のことに留まっているという気がします。

井上キャスター:
統一地方選挙目当てと、もう一つ。最近、茂木幹事長の発言が注目される機会が増えていると感じます。総理とはちょっと違う発言をする。これは閣内、党内で何が起きてるか?ポスト岸田に向けて、何か動いてるのか?はたまた全然そういうことではないのか?

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
おそらく二つあって。基本政策を今いろいろと議論しているので、オプション、いろいろな意見があるのを見せようということと、茂木幹事長も歳も60代後半になっているので、そろそろポスト岸田に向けて、独自色を出していこうというのは見えてきました。