事業承継の契約が成立した会社へ出向きサポート

 歯がゆい現実を見てきたからこそ、今度は当事者として長く支援したい。

 吉川さんは、1か月前に事業承継の契約が成立したばかりの、レアアースなどの加工専門会社「サンキコー」(滋賀・近江八幡市)を訪ねました。前社長は西村幸恭さん(54)で、新社長は近藤祐介さん(36)です。

 (SoFun 吉川友さん)
 「我々も事業のことをまず学ぶのが大事ですので、教えてもらいながら」

 いまはまさに事業引き継ぎの真っ最中。従来の会社のやり方を変えるのは少しエネルギーがいりますが…。

  (吉川さん)「損益分岐とかは、いま社員さんには?」
 (西村前社長)「そこはまだ…。方針を変えてもらって全員に公開するでもいいですよ」
  (吉川さん)「経常利益も(社内に)公開しています。すでに僕は」
 (近藤新社長)「会社で?」
  (吉川さん)「業績も全部、見える化をしていっているので」

 吉川さん、さりげなく自分の会社を例に出して、新しい社長が自分らしく成長できる会社をつくれるようサポートします。

 3年前に大病を患い、元気な間に次の経営者を決めておきたかったという前社長。ベンチャー企業の経営経験がある新社長の若さと溢れるやる気に、会社を託してみたいと思ったといいます。

 (サンキコー 西村幸恭前社長)
 「会社を経営されていたので、その辺は安心して、一切そこは口出しをしていないです。技術の面だけ、何年かかかるかもしれませんけど、それはやればできることなので。結構、安心しきっていますね」

 新社長はというと、少しでも早く技術面の理解を深めようと、1日1回は工場に足を運びます。

 (近藤新社長)「ちょっと教えて~って言って、嫌がられながら教えてもらっている(笑)」
   (従業員)「嫌がってない。(聞いた時は)びっくりしましたよね。でも若いから頑張っていろいろと改善していって、良い方向にもっていってもらえると思うので」