後継者がいなかった建設会社を受け継いだ元銀行マン。実は、もう1つの顔があり、『経営に挑戦したい人』と『後継者に悩む会社』の“懸け橋となる会社”を立ち上げ、事業を行っています。「日本経済を元気にしたい」と企業の後継ぎ問題の解決に向けて取り組む現場を取材しました。
元銀行マンが後継者不在だった建設会社の社長に

京都市南区にある建設業の「ミサキ」。ボルトを切断する音が作業場に響きます。

ミサキは建物などの耐震補強やコンクリート補強などを専門に行う会社で、倉庫には500を超える種類の部品が並びます。

朝6時半すぎ、点呼を終えた職人が次々と現場に向かいます。見送るのは社長の吉川友さん(39)です。

(ミサキ 吉川友社長)
「2021年の4月なので、(社長になって)もうすぐ2年ですね。後継者不在の状態に陥っていましたので、いろいろご相談を受ける中で『吉川、社長やってくれ』と言われて」
ミサキは業界の中でも歴史があり、技術にも定評のある会社。しかし、オーナーから親族へうまくバトンがつながらず、一時は廃業話も出ていたといいます。

その後、社長となった吉川さん。元銀行マンで融資先のコンサルティング経験を生かし、次々と改革の手を打ちました。
(ミサキ 吉川友社長)
「中小企業に多いんですけど、決算をしめて何となくもうかったみたいな会社って多い。(システム化して)今では1日の粗利であったりとか、1工事あたりの利益をしっかり見える化している」

見積もりや採算管理をIT化して生産性を向上。さらに会社の強みを分析し、それを前面に押し出した営業戦略に転換するなどして、業績はあっという間に右肩上がりになりました。
(ミサキ 吉川友社長)
「(売り上げは)伸びていますね。年率が今でいうと25%くらい。受注が受注をよんでという感じです」