広告宣伝なしで利益率23%を生む構造
野村:なぜそこまで利益率が高いのでしょうか。確かに、お土産物ってスーパーに並んでいるスナック菓子よりも、メーカーの名前を意識しませんよね。
comugi:お土産はその場所に行ったときに、売り場を見て直感で決めることが多いので、スーパーやコンビニのように商品を手に取ってもらうためのCMを打つ必要がありません。ほとんど広告宣伝を行わないことが、利益率の高さに繋がっています。
野村:なるほど。
comugi:もうひとつ大きいのが、インフレへの強さです。昨今、様々なものの値段が上がっていますが、お土産を買う時に値段をどれくらい気にしますか?
野村:確かに、スーパーに行ったときよりも確実に財布の紐は緩みますね。むしろ、少し値が張る方が相手にとって失礼じゃない、という気持ちもあります。
comugi:そうですよね。日常の買い物だと10円単位の差に敏感になりますが、お土産は比較検討されにくい。そのため、値上げが非常に成功しているんです。最近でも「東京ミルクチーズ工場」のクッキーを内容量そのままで12.5%値上げしましたが、売上はほぼ下がりませんでした。ちゃんと値上げできるのが、お土産を作る寿スピリッツの強さです。
本社はたった7人。超現場主義が支える圧倒的な商品開発力
野村:商品開発力も相当高いということですよね。
comugi:非常に強いです。例えば、東京駅に寿スピリッツのブランドが10店舗以上入っています。いい場所は色々な会社が取りたい陣取り合戦になる中で、東京駅側から「今度こういうエリアを開くから、新しい目玉となるブランドを作ってほしい」と依頼が来るほどです。
野村:それはすごいですね。
comugi:面白いのは、時価総額4,000億円の持株会社なのに、本社の人間がたった7人しかいないんです(2026年3月末時点)。残りの約1,800人はみんな現場にいます。
野村:超現場主義なんですね。
comugi:はい。店頭販売がめちゃくちゃ強くて、商品の由来や素材の物語をちゃんと語りながら売ることができる。この現場の力が、商品開発力や売る力、そして信頼に繋がっています。お土産というニッチな市場で、他に真似できない参入障壁を作り上げているんです。














